指名委員会・報酬委員会(任意含む)の設置が大きく増加
経営財務のニュースに「東証 独立社外取締役「3分の1以上」が大きく増加」という記事が掲載されていました。
2019年8月1日に東京証券取引所が公表した「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況」によると3分の1以上の独立社外取締役を選任している市場第一部の会社は前年比231社増の937社となり、割合では10%増加の43.6%となったとのことです。
なお、2名以上の独立社外役員を選任している東証一部の会社の割合は93.4%で前年比約2%の増加となっています。ちなみにJPX日経400に限ると99.0となっています。会社の方針によって色々あってよいという建前であるものの、ここまでくると、おとなしく2名は独立社外役員を選任しておいた方がよいというレベルになってきていると思われます。
上記のとおり、3分の1以上の独立社外取締役を選任している市場第一部の会社は、確かに大きく増加していますが、個人的に気になったのは、「委員会の設置状況」で、任意の指名委員会、報酬委員会を含む委員会の設置状況は、指名委員会が前年比348社増加の1067社、割合では15.3%増加の49.7%、報酬委員会は前年比333社増加の1125社で、割合では14.5%増加の52.4%となったとのことです。
指名委員会と報酬委員会では、報酬委員会を設置している会社のほうが若干多くなっていますが、報酬は他社の水準等を参考に数値目標に対して設定するようなことが比較的やりやすいと考えられる一方で、誰を役員に選任するかといった事項の方が決めにくいことと、誰を取締役にするかという点も重要であるものの、投資家からすると役員の報酬がどのようにきまっているのかというほうが注目されやすいということではないかと思います。
それにしても、報酬委員会を設置している会社が、大きく増加し過半数にまで達したとというのは驚きでした。この結果を見て、まずいと感じた会社が報酬委員会の設置を検討すると予想されるため、しばらくこの傾向が継続すると予想されます。