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有価証券報告書の訂正報告書提出が増加傾向?

経営財務3434号のニュースに「2019年3月期有報に関する訂正報告書152社が提出」という記事が掲載されていました。

内部統制云々という問題はあるものの、色々と記載しなければならないことも増えているので、訂正報告書が増えるというのは実務担当からすると特に違和感はありません。しかしながら2年前の約1.5倍となると、結構増えているのだなというのが率直な感想です。

同誌の調査結果によると、直近3年間の上場会社ににおける訂正報告書提出会社の社数と割合は以下の様に推移しているとのことです。

2017年3月期 105社(4.3%)
2018年3月期 133社(5.5%)
2019年3月期 152社(6.2%)

全体の訂正事項(332件)のうち訂正が最も多いのは経理の状況で135件(41.9%)、次いで提出会社の状況が83件(25.8%)、事業の状況が34件(10.6%)となっています。これは概ね想像どおりではないかと思います。

ちなみに経理の状況の注記事項で訂正が多かったのは、税効果会計関係が10件、金融商品関係が9件、貸借対照表関係が9件、セグメント情報等が8件と続いています。

一方で訂正報告書提出理由の2割強が「書類の添付漏れ」によるものであるとのことです。これも実務担当からすると、やってしまうのもわかるという気はします。添付漏れした書類は、総会決議通知25件、総会招集通知25件、総会招集通知に際してのインターネット開示事項17件が多くなっています。これらはおそらく同じ会社だと推測され、25社のうち17社でインターネット開示事項があったということでしょう。

上記3項目以外で多いのは定款で9件となっています。定款は総会招集通知などと異なり、基本的に変更があった場合に添付が求められるものなので、定款を変更した場合に添付を忘れてしまうということは想像できます。このほか、変更がなくても5年に1回は定款を添付しなければならないとされているため、それをうっかり失念するということも考えられます。

訂正報告書提出会社を上場区分別にみると、東証一部が107社で全体の70.4%を占めているとされています。上場会社数が多いので東証一部の会社での件数が多いのは当然ともいえますが、上場会社数の割合で見ると東証一部の会社は全上場会社の約6割程度ですので、それを上回る率となっています。

東証一部の会社は新興市場の上場企業よりも内部統制がしっかりしているということも多いですが、一方で、大企業が多いこともあり情報の収集や集約でエラーが生じる可能性は相対的に高くなるというのもそれほど不思議ではありません。

直近3年のペースでいくと来年は7%台に突入かという勢いとなっていますので、来年の動向にも注目したいと思います。

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