オーナー企業の上場会社の常勤(?)監査役がオーナー一族は支持されるのか
本日、タマホーム株式会社が「監査役の辞任および監査役候補者選任に関するお知らせ」という適時開示を行いました。
現在の常勤監査役が総会終結の時をもって辞任することとなったため、新たに監査役を選任する議案を8月開催の株主総会に付議することを決定したというような内容です。これ自体はそれほど珍しい内容ではありませんが、今回のケースでは、現在の取締役副社長が取締役を辞任して監査役になるというもの、かつ、その候補者がオーナー一族(有報:役員の状況脚注から判断)であるという点で珍しいケースであるといえます。
辞任する監査役は前期の有報によると常勤監査役ですので、普通に考えると、当該候補者が常勤監査役になるものと推測されます(開示資料上は常勤・非常勤の別は明示されていませんので推測です)。
現時点では上記取締役副社長のほか、代表取締役2名がいずれもオーナー一族となっています。大株主の状況からすると、一族で約50%の株式を保有していることになっています。
オーナー一族で相当数の株式を保有していることから、当該議案が株主総会に付議されれば可決されることは間違いないといえますが、一般的にこのような立場の監査役の選任議案は支持されるのかが気になります。
この候補者も、3%程度の株式を保有しており、監査役としての職務を誠実に果たすことが自らの資産価値を守ることとなるといえますので、そういった意味では株主と利害が一致しているとも考えられます。
しかしながら一方で、執行サイドと監査サイドが同族という外形は、疑義を抱かれやすいともいえます。また、上記のように株主との利害対立はないととらえた場合、オーナー企業でオーナーによる不正などおこらないはずですが、必ずしもそうではないという事実もあります。
近年はガバナンスの在り方についても、注目される点ですので、今回のケースがどの程度の賛成率になるのか注目です。