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外貨建売買有価証券の決算時の会計処理

今回は、外貨建売買目的有価証券の決算時の処理についてです。受験生時代には簿記の問題ではよく出てきたものの、私の場合、実務上ではあまりお目にかかる機会がないので処理法を確認しておきます。

どのように処理すべきかについては、外貨建取引等の会計処理に関する実務指針(会計制度委員会報告第4号)の第12項で以下のように述べられています。

外貨建売買目的有価証券の決算時の会計処理

12. 外貨建売買目的有価証券の決算時の円貨額は、外貨による時価を決算時の直物為替相場により換算して算定する。この場合に生じる換算差額は、外貨による評価差額を決算時の直物為替相場で円換算した換算額と外貨による取得原価に係る為替差損益からなる。これらは当期の評価損益として処理する。

読めばわかるとは思いますが、決算日現在の時価(外貨建)×決算日レートで換算した金額に評価替えして、簿価との差額は評価損益としてPL計上するということになります。

つまり、下の図で色を付けた部分については、外貨ベースの取得価額に対して為替が変動したことにより生じた評価差額ではあるものの、為替差損益ではなく有価証券の評価損益に含めて処理をするということです。

外貨建売買目的有価証券の決算時の処理だけであれば、意識する必要はありませんが外貨建満期保有目的債券の場合は為替差損益として処理する部分も出てくるので一応記載しておきました。

具体例で処理方法を確認します。

(前提条件)
C社(決算日3月31日)は、X1年2月1日に、米国市場に上場しているA社の株式を10万ドルで取得し、売買目的有価証券に分類した。そして、X1年5月31日に上記A社株式を13万ドルで売却した。

X1年3月31日のA社株式の時価は12万ドルであった。また、為替レートは以下のとおりであった。

①株式取得日: X1年2月1日 75円/ドル

②決算日: X1年3月31日 78円/ドル

③株式売却時: X1年2月1日 80円/ドル

この場合、各段階での仕訳は以下のようになります。

①株式取得日(X1年2月1日)

借)有価証券 7,500千円 貸)現金預金 7,500千円

→10万ドル×75円/ドル

②決算日(X1年3月1日)

 借)有価証券 1,860千円 貸)有価証券評価益 1,860千円

→(12万ドル×78円/ドル)-7,500千円

③株式売却時(X1年5月31日)

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