メガソーラ事業の収益性は高い?
電気の固定価格買取制度の1kwhあたり42円という価格はかなり高い設定で、結構おいしいビジネスだという噂は聞いていましたが、実際のところ設備に要する費用と収入の関係はどんなものなんだろうというのが気になっていたので少し調べてみました。
すると、千葉県で不動産業を営む㈱新昭和という会社が千葉県内で初めてメガソーラ発電事業を開設したという事実を発見しました。詳細は、同社のHPのお知らせに記載されていますが、新昭和メガソーラー市原発電所の概要としては以下のように記載されています。
所在地:千葉県市原市山田
敷地面積:4.6ha
出力規模:約2MW 設置容量:1,914kW(250kWインバータ8基)
(発電した電力は、再生可能エネルギー特別措置法に基づき、全量を東京電力へ販売)
年間予想発電量:2,105,400kWh/年
一般家庭約600世帯分の年間電力消費量に相当
連系日:平成24年9月29日(土)
開所日:平成24年10月4日(木)
上記の年間予想発電量から年間の売電収入は、2,105,400kWh×40円(消費税抜)=84,216,000円となります。20年間はこの買取価格が固定されるということですので、20年間での収入合計は84,216,000円×20年=16億8432万円となります。通常の事業と異なり、この事業のすごいところはこの収益見込みがかなり固い見込みであるという点です。機械の故障で発電ができなくなるようなことがなければ、年間予想発電量と実際の発電量にはそれほど開きが生じないのではないと考えられるためです。
では、肝心の設備投資にいくらかかるかですが、千葉日報のウェブサイト「ちばとぴ」の記事によれば約6億円(用地代は含まず)と報道されています(「市原に県内初メガソーラー 新エネ推進大きな期待 来春には木更津でも稼働」ちばとぴ2012年10月5日)。用地代については触れられていませんが、同記事において用地代以外の6億円は「10年で回収可能と試算する」とされています。買取価格が高いという話から個人的にはもう少し短い期間で回収できるのかと思っていましたが、価格が20年間は安定しているという前提であれば、10年でもよいのかもしれません。
結局のところ、設備当時額と発電量の関係は誰がやってもそれほど大差ないと思いますので、メガソーラ事業の収益性はいかに安く用地を確保できるかにつきるということになりそうです。例えば、今から山を切り崩して平地を造成するというのでは元が取れないということになるはずです。また、土地が余っている場所であっても、雪国では冬の日照時間に問題があるので採算が合わないと思います。そう考えると、房総半島なんかは平地があればソーラー事業にはもってこいの土地柄ということになるのでしょう。
固定買取価格42円の間は、用地を安く準備できれば手堅い事業というのは確かなようです。
日々成長