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マッキンゼーの採用基準とは?-「採用基準」(伊賀泰代 著)

ある書店でビジネス書ランキングの上位に入っていた「採用基準」(伊賀泰代 著)という書籍を読みました。

この本に興味を持ったのは、著者がマッキンゼーで採用マネジャーを12年務めた方であったことです。あのマッキンゼーでどのような採用が行われているのかについて書かれているのかと興味を魅かれました。

しかしながら、(当然と言えば当然なのですが・・・)守秘義務の関係で、採用方法についてはそれほど細かく語られていません。したがって、採用方法について詳しく知りたいという方には若干期待はずれかもしれません。

ただし、マッキンゼーの採用基準として、ケース問題がスラスラとけなければならないということはなく、地頭がよければ採用されるわけではないと述べられています。ただし、マッキンゼーの採用基準はグローバルで統一されており、大きく分けると、以下の三つとされています。

①リーダーシップがあること
②地頭がよいこと
③英語ができること

したがって、地頭がよいことについては必要ということになりますが、コンサルタントとしてクライアントの信頼を得て問題解決を推進していくためには地頭がよいだけではだめということのようです。また、地頭のよさに加えて、思考意欲が高いことが重要と述べられています。思考意欲とは、簡単に言えば、考えることが好きかどうかということです。

そして著者曰く、日本人には上記②を満たす候補者はいても、①と③を同時に満たす人材が著しく欠乏しているとしています。

マッキンゼーにおける採用については、概ね上記のような内容で、この書籍の残り(大半)は、リーダーシップの重要性について述べられています。上記のとおり、マッキンゼーの採用基準の一つが「リーダーシップがあること」なので、「採用基準」について述べているとも言えますが、どちらかといえばリーダーシップについて本を書きたかったけれども、より売れやすくするため「採用基準」というタイトルをつけたのではないかと思います。

たしかに、マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた方が「リーダーシップ」について書籍を書いていてもあまり注目されなかったのではないでしょうか。

著者は日本にはリーダーシップキャパシティが不足しており、組織的・制度的な育成システムが必要と述べていますが、では具体的に各会社などでどのような仕組みをつくっていくべきかという点についてはあまり述べられていません。どちらかといえば、リーダーシップの重要性とそれが不足していることについての危機感が中心に述べられています。

具体的なリーダーシップ育成の仕組み作りについては、今後の第二弾で書かれるのかもしれませんが、研修方法や組織編成などについて突っ込んだものを期待します。

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