消費税が予定通り平成26年4月から8%になることに決まりました
本日、安倍首相が当初予定通り消費税を5%から8%に引き上げることを表明しました。
予想どおりといえば予想通りですが、消費税改正附則18条に「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」なんてものが織り込まれていたため、わずかではありますが、施行日が延期されるのではないかという期待もありました。
しかしながら、「社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するために財源の確保は待ったなし」(朝日新聞)ということで、消費税の増税が決定されました。社会保障が安定して、人々が安心して消費を増やしてくれれば景気にとってもプラスになることもあり得るので、それはともかくとして、実務的な観点からすると、8%の後に1年半で10%への税率引き上げが予定されているというのがいただけません。
システムの改修やら各種印刷物の変更やらで、税率変更が実務に及ぼす影響は少なくありません。もちろん、システムの開発会社や印刷業界なんかは税率変更が2回に分けて行われることで潤うことが予想されますが、大多数の実務作業者にとっては、単に無駄と思える作業に時間とコストがかかるだけではないかと思えてなりません。
たった1年半で税率が変更されることが予定されており、何だかんだいっても税率が予定通りにあがるのであれば、(消費者としての立場はおいておけば)最初から10%にしてくれたほうが、はるかにありがたいと思います。
加えて、復興特別法人税も1年前倒しで廃止を検討するとのことですが、復興財源を確保できるのであれば、復興特別所得税を先に廃止してしてもらいたいです。もちろん国民全員で復興を支援するという点でいえば所得税は残すということも理解できますが、10.21%とか20.42%とかいう中途半端な税率で源泉徴収額を計算しなければならない気持ち悪さといったらありません。
法人税は基本的に年1回の計算にすぎませんし、マニアックな論点としては廃止が決まる時期によっては繰延税金資産の計上額を見直さなければならないなんていう面倒な作業も発生します。
実務上、どんな景況を及ぼすかなんてことは考慮されないのはやむを得ないとしても、国民の大半が10年後とか20年後に日本が目指している方向を共有できるようなビジョンを示してほしいと思います。
日々成長