2013年12月の金融円滑化法利用後倒産は30件
帝国データバンクが2014年1月14日に公表した「全国企業倒産集計2013年報」によると、2013年12月の金融円滑化法利用後倒産は30件となったそうです。11月の状況も合わせて、過去の推移を図表化すると以下のようになっています。
基本的な傾向としては2013年は2012年に比べて金融円滑化法利用後の倒産件数が増加傾向にありましたが、12月の発生件数は30件と前年同月を下回る件数となっています。これがたまたまなのか、1月以降は倒産件数が減少していくのかは現時点ではよくわかりませんが、全体の倒産件数は1万332件でリーマン・ショック後最少になったとのことなので、多少景気はよくなっているということなのかもしれません(個人的にはあまり実感はありませんが・・・)。
この点について、帝国データの今後の見通しでは、「無策の返済条件緩和の継続は単なる延命に過ぎず、個々の企業が経営課題を解決していかなければ、倒産増加懸念は払拭できない。」と慎重な姿勢が示されています。全体的には低空飛行であったとしても、その中で景気は良くなったり悪くなったり変動するので、景気が多少上向けばなんとかやってけるという状態であれば、帝国データの述べるとおり「単なる延命」にすぎないということになってしまいます。
とはいえ、特別な策によって回復できるくらいであれば既に回復している、あるいは不況と言われても儲かっているはずなので、返済条件が緩和されなくてもやっていけるようになる会社はそれほど多くはないのではないかと思います。
そうなると、消費税増税後の動向が気になりますが、この点について帝国データのレポートでは、「消費増税が倒産に及ぼす影響は経済状況によって変化するため、一概には比較できないが、“アベノミクス”の高揚感が漂うなかでも 2013 年の倒産件数が前年比増加している「家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業」(124 件、前年比 11.7%増)や、食品小売業を含む「食品関連業者」(881件、同 4.5%増)などは要注意である。」と述べられています。
上記の他、原材料や燃料費の高騰の影響をうけている「パルプ・紙・紙加工品製造業」や「道路貨物運送業」も不安要素が大きいとされています。
消費税増税については経済界ではそれほどの影響はないという見方が強いようですが、個人的にはそれほど消費者の心理が上向いているとは感じません。むしろ、最近様々なものが値上がりを始めているので、むしろ消費を引き締めていかないといけないかなという感じがしています。
リストラをしすぎたため人が足りなくなった監査法人がOBのバイトを増やそうとしているという話を耳にしましたが、そのレートが昔に比べるとものすごく安くなっているそうです。一般的には希少な能力をもっているのであれば高い報酬を獲得できるはずですが、そうなっていないあたりまだまだ景気がよくなっているとはいえないのでは?という気がします(そもそも希少性はないというだけなのかもしれませんが・・・)。
日々成長