政府税制調査会-減価償却方法を定額法に一本化する方向で検討
経営財務3160号(2014年4月21日号)、T&A master No.543(2014年4月21日号)の双方で、4月14日に開催された政府税制調査会の内容が取り上げられていました。
経営財務は「減価償却方法は定額法一本化へ」という記事、T&A masterは「研究開発税制や定率法の見直しが浮上」という記事になっています。
やはり、気になるのは減価償却方法を定額法に一本化しようという内容です。
経営財務の伝えるところによれば税制調査会で取り上げられた論点は以下の三点とのことです。
一方、T&A masterでは「財務省は、定率法を見直し、定額法に統一することを提案した。この案に対して出席委員からは、IFRS(国際会計)が原則、固定資産の減価償却方法として定額法を採用していることなどを踏まえて、賛成する意見が相次いだ」とされています。
経営財務でも「償却方法の定額法一本化に大方が同意の様子」と伝えられていることから、税法の基本的な方向性としては定額法へと流れていきそうです。
減価償却方法の見直しの他、中小企業の軽減税率の適用基準が資本金であることにも問題があるとして、所得金額や純資産金額を適用基準とすべきというような意見もあったとのことです。そういった意味では、定率法も中小企業にのみ認められる方法というような位置付けに変化していく可能性はありそうです。
賛成側からは「現在の低金利、資金余剰の環境下で定率法を認めることによる経営上のメリットはない」という意見もあったそうですが、物価上昇を掲げる政府のもとで「低金利」だからメリットがないというのは少し変な感じがします。
国を維持する税収を確保する必要がありますが、必要な税収が国ごとに異なる中で法人税率を他の国に合わせて引き下げてみてもどこかで無理が生じるのではないかという気がしてなりません。法人税率を引き下げて、結果的に個人にメリットがあるのであれば歓迎ですが、法人に資金がプールされる一方で個人の可処分所得が減るようではやる気がそがれていきそうです。
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