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出る杭はもっと出ろ!

お騒がせgumiが今度は上方修正

最近のIPOの問題事例として引用されることが多いgumiですが、今度は平成27年6月1日に「平成27年4月期連結業績予想の修正並びに個別業績見込みに関するお知らせ」を公表し、前回の赤字(経常利益△600百万円)を一転234百万円の黒字予想に修正しました。

1.上場後約6カ月の主なイベント

昨年12月の上場からの経緯を要約すると以下のようになります。

平成26年12月18日 
東証一部に新規上場(平成27年4月期第2四半期までの決算情報を開示)
当時の業績予想は以下のとおり。
2015-06-04_1
(同社 第2四半期決算短信より)

平成27年3月5日 
通期業績を経常利益1,277百万円から経常損失△600万円に大幅な下方修正を公表するとともに、役員報酬の減額を公表

平成27年3月6日 
平成27年4月期第3四半期決算短信公表

平成27年3月19日 
韓国子会社での不正が報道されたことを受けて、影響額が数千万円程度と見込まれる旨を開示

平成27年3月27日 
早期退職希望者募集のお知らせを公表。また、一部ブラウザゲームの資産譲渡に係る基本合意書の締結を公表

平成27年4月10 
韓国子会社の不正の影響が約38百万円(主にコーポレートカードの不正利用)である旨および過去において費用に計上済みである旨を公表(不正を行ったものに対する損害賠償請求権については100%引当)

平成27年4月30日
「(開示事項の経過)一部ブラウザゲームの資産譲渡に係る基本合意書の締結に関するお知らせ及び特別利益の発生に関するお知らせ」を公表し、特別利益約120百万円が発生する旨を公表

平成27年4月30日 
「希望退職者募集の結果及び特別損失の発生に関するお知らせ」を公表し、募集人数100名程度に対して64名が応募し、約101百万円の特別損失が発生する旨を公表

平成27年6月1日 
「平成 27 年4月期連結業績予想の修正並びに個別業績見込みに関するお知らせ」を公表し、下記の通り業績予想を上方修正
2015-06-04_2

早期退職に応募した方は、この上方修正をみてどう感じているのか気になるところです。

2.上方修正の要因は?

6月1日に公表された「平成 27 年4月期連結業績予想の修正並びに個別業績見込みに関するお知らせ」によると、主な要因はネイティブアプリサービスが予想を873百万円上回ったことによるもののようです。
主なタイトル別には「ファントムオブキル」がTVCMによるプロモーション等の効果により予想値を334百万円上回ったこと、「ブレフロ海外言語版」が3月中旬以降、月次利用者数一人当たりの月平均売上高(ARPMAU)が改善し予想値を236百万円上回ったことが主な要因のようです。

月次利用者数一人当たりの月平均売上高(ARPMAU)はどれくらい変動するものなのかですが、同社の第3四半期決算説明資料では以下のようなグラフが掲載されています。
<ブレイブフロンティア>
2015-06-04_3
(出典:同社第3四半期決算説明資料より)

グラフの目盛りが記載されていないので、目盛り感覚をどのようにとるかで見え方を操作できるような気はしますが、月次利用者数一人当たりの月平均売上高を知られたくないということなのかも知れません(売上高ランキングの推移には目盛りがついています)。

3.気になる特別利益120百万円

平成27年4月30日に公表された「(開示事項の経過)一部ブラウザゲームの資産譲渡に係る基本合意書の締結に関するお知らせ及び特別利益の発生に関するお知らせ」で約120百万円の特別利益が発生するとしています。

三つのゲームタイトルの利用許諾と一部の資産(おそらく当該ゲームを運用するサーバーなどだと推測されます)を譲渡により約120百万円の特別利益が発生するとしています。

開示されている利用許諾の概要は以下のようになっています。
2015-06-04_4

利用許諾料は2年ごとに約120百万円ということなのか、自動更新期間も含めて約120百万円なのかはよく分かりません。まず、この利用許諾料と特別利益の計上額が一致しているので気になるのですが、これは一括して利益計上されるのだろうか。会計方針の記載からすると同社は自社利用ソフトしか保有していないようですので、どういった処理が行われるのかが気になります。
仮に一括して収益認識しているとすると、自社利用ソフト(そもそも対応する残高も資産計上されているのかすら不明ですが)の減価償却はどうなるのだろうという点も気になります。

同社の四半期報告書を見ていくと、無形固定資産の「その他」が以下のように大きく増加傾向にありますが、平成26年7月末時点では最大で77,525千円なので、対象ソフトの残高はそれほど大きくはないのかもしれません。
1Q 77,525千円
2Q 203,316千円
3Q 551,526千円

なお、同社の自社利用ソフトの償却方針は5年(社内における利用可能期間)の定額法となっています。

4.業績予想に無理がある

一連の修正劇を見ていると、この会社あるいは業種において業績予想をするのに無理があるのではないかという気がします。平成27年4月の決算発表においても、平成28年4月期の業績予想を公表するのかは興味があるところです。

上場時には中期計画があったはずですので、今更やっぱり無理ですとはいえないのかも知れませんが、もはやほとんどの人が信じないであろう業績予想を公表するよりは、主要タイトルの毎月の売上高をIR情報として毎月開示するというほうが投資家にとっては有用なのではないかという気がします。

日々成長

 

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