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外国親会社から付与されたストックオプションの行使益ー支払調書に記載を義務化

税務通信3222号(2012年7月23日)に「外国親会社から付与されたSO行使益 支払調書に記載を義務化」という記事が掲載されていました。

外資系金融機関の日本人子会社の従業員が海外で行使したストックオプションの行使益を申告しなかったというような事案が生じていることに対応して、このような申告漏れを補足するのが目的とのことです。

以下、内容を確認していきます。

1.適用範囲

今回改正で追加されたのは、所得税法228条の3の2「外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書」という条文です。

「経済的利益に関する調書」なので今回の改正は、ストックオプションの行使益に限ったものではなく、ストックオプションの他「制限株式ユニット、従業員持株購入権、ファントム・ストックなどが該当する」とされています。

なお、「ファントム・ストック」とは、実際の株式ではなく架空の株式を用いた報酬制度で、一定期間経過後の株価が取得時の株価を上回っている場合に、評価差益に相当する金額を受領できるようです(実際に導入している会社の遭遇したことはありません。)

2.適用時期

今回の改正は平成25年1月1日以後に提出する調書から適用されます(平成24年改正法附則56条)

したがって、平成24年中にストックオプション等に基づく経済的利益の供与があった場合には、調書を平成25年3月31日までに提出する必要があります。

3.罰則

この調書を提出しなかったり、提出書類に偽りに記載等があった場合には、「1年以下の懲役又は50万円未満の罰金」の処せられるので注意が必要です。

そもそも、日本の外資系企業でこのような制度が導入されている会社がどれくらいあるのかはわかりませんが、日本の業績が外国親会社の業績に与える影響がそれなりに大きくないと会社側から見てインセンティブとしては有効に機能しないように思いますので、世界的にも日本でも有名な企業かつ日本法人が上場していない外資系企業で導入されている可能性が高いように思います。

実際に該当する制度があるかどうかはわかりませんが、思いつく企業としては、グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフトなどが可能性がありそうです。

最後に、関連する条文を記載しておきます。

所得税法228条の3の2

————————————————————————
外国法人がその発行済株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資の総数若しくは総額の100分の50以上の数若しくは金額の株式(議決権のあるものに限る。)若しくは出資を直接若しくは間接に保有する関係その他の政令で定める関係にある内国法人の役員(法人税法第2条第15号(定義)に規定する役員をいう。以下この条において同じ。)若しくは使用人である居住者又は外国法人の国内にある営業所等(営業所、事務所その他これらに準ずるものをいう。以下この条において同じ。)において勤務する当該外国法人の役員若しくは使用人である居住者(以下この条において「役員等」と総称する。)が、当該役員等と当該役員等に係るこれらの外国法人(以下この条において「外国親会社等」という。)との間の契約により付与された当該外国親会社等が発行する株式を無償又は有利な価額で取得することができる権利その他の政令で定める権利に基づき当該外国親会社等から株式、金銭その他の経済的利益の交付、支払又は供与(以下この条において「供与等」という。)を受けた場合には、当該内国法人又は営業所等の長は、財務省令で定めるところにより、その経済的利益の供与等を受けた役員等の当該外国親会社等の経済的利益の供与等に関する調書を、当該供与等を受けた日の属する年の翌年3月31日までに、税務署長に提出しなければならない。
———————————————————————–

所得税法施行令第354条の3「外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書」の第2項

—————————————————————————
第354条の3
2   法第228条の3の2 に規定する政令で定める権利は,次に掲げる権利とする。

一  法第228条の3の2 に規定する外国親会社等(同条に規定する役員等と同条の契約を締結したものに限る。以下この項において「外国親会社等」という。)の株式又は当該外国親会社等と資本関係(当該外国親会社等と当該外国親会社等以外の法人のいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数又は総額の100分の50以上の数又は金額の株式(議決権のあるものに限るものとし,出資を含む。)を直接又は間接に保有する関係をいう。次項において同じ。)がある法人の株式(以下この項において「外国親会社株式等」と総称する。)を無償又は有利な価額で取得することができる権利

二 外国親会社株式等の価額に相当する額又は当該外国親会社株式等に係る配当に相当する額の金銭その他の経済的利益の支払又は供与を受けることができる権利

三 外国親会社株式等の価額,外国親会社等の業績その他の指標の数値が一定の期間内にあらかじめ定めた基準に達した場合に当該外国親会社株式等,金銭その他の経済的利益の交付,支払又は供与を受けることができる権利
—————————————————————————-

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