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減資の税務(会社の処理)-有償減資は要注意

今回は減資の税務について確認します。

税務上も減資は、資本等取引であるので、減資会社の所得金額の計算上は、益金の額に算入されません。ただし、有償減資の場合は、みなし配当として源泉徴収が必要となることがあるので注意が必要となります。

これは、会社法上、有償減資が①資本金の減少およびそれに伴うその他資本剰余金増加と②その他資本剰余金を原資とした剰余金の分配という二つの取引から構成されるものと整理されており、税務上も同様の考え方を採用していることによります(法人税法24条1項3号)。

減資して出資したものの一部を払い戻したと考えてしまいますが、上記の②で剰余金の分配があるので、分配された金額によっては「みなし配当」が発生することになります。

一方で、無償減資の場合は「みなし配当」の問題は生じることはありません。実際問題として有償減資はあまりないように思いますが、減資が有償減資であるか無償減資であるかによって税務上は処理方法が異なることになるという点は記憶しておく必要があると思います。

以下、有償減資・無償減資についてもう少し細かく内容を確認していきます。

1.有償減資

前述のとおり、有償減資の場合は「みなし配当」の額がいくらなのかが重要となります。
計算手順は、まず、その他資本剰余金からの配当による払戻しのうち、資本金等の額に対応する分の金額の計算を行い、それから減少した利益積立金額の計算を行うという手順になります(法人税法施行令8条1項19号)。この減少した、利益積立金額が、株主にとっての「みなし配当」となります。

上記を計算式で示すと以下のようになります。

例えば、資本金1億円(資本金等の額)、前期末の簿価純資産2億円であるA社が、減資手続きにより資本金を5000万円減額し、株主に5000万円払い戻したケースの処理で考えると、仕訳は以下のようになります。

<株主に対する支払通知書および税務署に対する支払調書の提出>

みなし配当が生じた場合、会社には源泉徴収義務が生じるというのは前述のとおりです。この際の税率は、原則として20%となっています。また、所轄税務署に支払調書を提出する必要があります。

これに加えて、みなし配当が生じた場合は、各株主別に支払通知書を交付しなければなりません。これは、株主がみなし配当の計算を適切に行うことができるようにすることを目的としています。というのは、会社法上、超過払戻金が資本金等の額からなるのか利益積立金からなるのかの区分計算については、会社の任意とされているので、株主の立場からは、いずれの積立金からなされたものであるのかが分からないと「みなし配当」の計算ができないためです。

2.無償減資

無償減資については特に記載することがありませんが、株式併合によって無償減資を行う場合の減少する志保金の額の計算方法のみ確認することにします。

株式併合により減少する資本金の額は、以下の算式で計算することになります。

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