破産手続きの終了を確認する方法
一般の事業会社を相手に、多数の販売先を有していると、たまに「破産手続開始通知書」というありがたくない通知が送付されてくることがあります。
担保や相殺可能な債務等を有していない限り、この通知を受け取った段階で売掛債権等は全額回収不能と言っても過言ではないと思います。
したがって、会計上は基本的に債権残高の全額を「破産更生等債権」に振り替えた上で、その全額に対して引当金を計上することになります。
一方で、法人税法上は、債務者に「破産法の規定による破産の申立て」という事実が生じただけでは、全額を損金算入することが認められません。
この場合の繰入限度額は、以下のとおりとなります。
(対象債権-実質的に債権とみられない金額-担保権の実行等により取立てが見込める金額)×50%
残りの50%は破産手続きが完了した時点(回収不能が確実になった)で損金算入することになりますが、「破産手続き終了のお知らせ」というような気がきいたものが送られてくることはありません。
したがって、放っておくといつまでたっても残りの50%を損金算入することができないことになります。そこで、手続きが完了したかどうかを確認する必要がありますが、一番手っ取り早いのは、
管轄の地方裁判所の窓口に電話して聞くことです。
「破産手続開始通知書」には、管轄の裁判所・部門と事件番号が記載されていますので、インターネット等で窓口の電話番号を調べて電話するのが確実です。
事件番号を伝えると、相手先の名称とどういう立場なのかを聞かれますので、相手先の名称と債権者である旨を伝えると、ものの数秒で手続き中か完了しているかを教えてくれます。
完了している場合は、完了した日時と「異時終了」等の顛末を教えてくれますので、証憑が必要であればその頃の官報をあたればよいということになります。
さすがに大阪地裁の事件の状況は東京地裁では確認できないので、地裁ごとに確認する必要はあります。
日々成長。