レベル7と東電株価
日中に、福島原発の事故レベルがレベル7に引き上げられたことによって、株価がどの程度反応するのかなと思っていましたが、本日の終値は450円でした。下落率は10%と大きいですが、もっと反応するのかなと思っていたので、こんなものかという感じです。
J-CDSで公表されている東京電力のCDSのレートは前日よりも21ベーシスポイント上昇し415ベーシスポイントとなっています。震災直前は42ベーシスポイント程度だったので約10倍となっており、震災以後一番レートが上昇しています。
(出典:J-CDS HPより)
中部電力や関西電力が72ベーシスポイントなのでおよそ6倍の水準ですが、全日空が210ベーシスポイント、プロミス、アコムがそれぞれ535ベーシスポイント、402ベーシスポイントであることからすると、何かあっても債権者は保護されるというような見方が強いようです。
一方、株価については、原子力損害賠償法で免責されるとの思惑から4月6日につけた292円から相当値を戻しています。米倉弘昌日本経団連会長も会見で、「原子力損害賠償法には大規模な天災や内乱による事故の場合には国が補償するとある」と指摘し、「国が全面的に支援しなくてはいけないのは当然のこと」として東電を擁護しています。
確かにそうなのだろうけれども、釈然としないのは何故なのか?
やはり、震災後の東電の対応に対応に問題があるのだと思います。事故直後に線量計も津波の被害で個数が足りなかったとされていますが、下請の作業員が被爆した状況を聞くと、線量計が足りなかったというのも疑わしく思えますし、いまさら「福島第1原発は放射性物質の放出を止め切れておらず、(放出量は)チェルノブイリ原発事故に匹敵、または超える懸念がある」と言いだすのもどうなんだろう。
経団連会長が何と言おうが、東電は国有化されるのではないかと個人的には思います。
原発を推進しようとしていたオバマ大統領は、今回の対応の悪さに相当頭にきているのではないかと思いますし、低レベルとはいえ事前連絡なしに放射線汚染水を海洋に放出した手前、韓国やロシアに対して何らかのけじめを示す必要があるので、国は東電をGM型で国有化する(追い込む)のではないかと思うのです。
株式会社は株主のものだとすれば、今東電の株を買って株主になる人は、放射線を垂れ流している企業の持ち主ということです。自分の会社なら、株主は、なんとかしないといけないですよね。
といっても、一般株主にはできることは限られます。
そうです、出資の限度で責任を取るしかないのです。 今株主になる人たちは、そういう責任を取りたい人たちなのかもしれませんね。
日々成長