労働保険の年度更新-そろそろ期限です(7月11日)
今年は7月10日が日曜日なので申告期限は7月11日までとなりますが、間もなく平成23年度の労働保険の申告期限をむかえます。
早く納付しても保険料が安くなるわけではないので支払いは期限ぎりぎりにするケースが多いのではないかと思いますが、申告書の作成は終わっているのが一般的なのかどうかはよくわかりませんが、従業員数がそれほど多くない場合は、そろそろ作らないとまずいかなというケースもあるのではないかと思います。
厚生労働省作成の「平成23年度 労働保険 年度更新申告書の書き方」を参照すれば、書き方は結構詳しく書いてありますし、厚生労働省のHPにも以下のように記載されていますので、わからないことは労働局や労基署に質問すればいいと思います。
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(厚生労働省HPより抜粋)
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そんな面倒なことはしたくないという場合は、社会保険労務士に依頼すればよいと思いますが、きっと自分でもできると思います。
ちなみに、「平成23年度 労働保険 年度更新申告書の書き方」は以下のURLからダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/h23/keizoku.html
継続事業で労働保険の年度更新の申告書を作成する際に、他の制度との関係で勘違いしてしまいそうなのは保険料算定の前提となる賃金総額に含まれる賃金が発生ベースなのは支払いベースなのかです。
結論からすれば、今回の保険料算定期間(平成22年4月1日~平成23年3月31日)に支払いが確定した賃金は、算定期間中に支払われなくても賃金総額に含めなければなりません。つまり、会計的な発生ベースで賃金総額を計算する必要があります。
他の制度との比較
勘違いしてしまいそうな他の制度では以下のようになっています。
①提出期限を同じくする標準報酬月額の「定時決定」
定時決定では、原則として4月・5月・6月に支払われた報酬をベースにして算定が行われます。つまりこちらは支払いベースになっています。
②所得税の年末調整
これは12月分の給料を翌年1月10日に支払うような場合に、12月分の給料を年末調整の対象に含めるのかどうかです。
結論からすれば、年末調整の場合は支払い日ベースで考えるため、上記の場合の12月分の給料は翌年の処理となります。
この点については、年末調整を規定している所得税第190条で年末調整の対象が「その年中にその居住者に対し支払うべきことが確定した給与等」とされており、12月分の給料は12月に確定しているので年末調整に含めても問題ないという話も聞いたことがあります。
もっともらしい意見ですが、国税庁のタックスアンサー「No.2668 年末調整の対象となる給与」(あるいは所得税基本通達36-9(1))において、契約により支給日が定められている場合は「支給日」を「収入の確定する日とする」とされていますので、翌年の年末調整の対象とした方が無難です。
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(国税庁タックスアンサーより抜粋)
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賃金総額に含まるもの含めないもの
賃金総額に含めるものと含めないもので迷いそうなものについても、上記パンフレットに記載されており、該当部分を抜粋すると以下のようになっています。
(厚生労働省作成「平成23年度 労働保険 年度更新申告書の書き方」より抜粋)
休業手当が賃金総額に含まれるのは若干酷な気もしますが、むしろ今後、失業保険等の給付を受ける可能性が高い状態と考えれば保険料の算定対象となるというのは当然といえるかもしれません。
保険料率
雇用保険の保険料率は、昨年から変化なく一般事業で15.5/1,000で、その他の事業は以下のようになっています。
(厚生労働省HPより抜粋)
労災保険の保険料率も昨年から変化なく3/1000~103/1000となっています。
期限には遅れないようにしましょう!!
日々成長。