平成23年4月1日以降に適用される四半期連結財規等の改正内容の確認
以前、四半期財務諸表に関する会計基準および適用指針の改正について書きましたが、3月決算の会社では間もなく第1四半期が終了しますので、四半期連結財規の改正部分について確認します。
今回の改正では、注記の簡素化による注記項目等自体が削除されているもの、第1四半期および第3四半期で注記等の省略が認められるもの、および省略した場合に一定事項の注記も求めるものなどが存在します。
1.注記項目等自体が削除されているもの
以下の項目については、改正前の連結財規では記載がありましたが、今回の改正で項目が削除されています。したがって、四半期報告書では記載が不要ということになります。
①簡便な会計処理に関する注記(改正前四半期連結財規 第11条)
②ストックオプションに関する注記(改正前四半期連結財規 第18条)
③取得による企業結合が行われた場合のプロフォーマー情報(改正前四半期連結財規 第20条1項8号、3項、4項)
④逆取得となる企業結合が行われた場合の注記(改正前四半期連結財規 第21条)
⑤資産除去債務に関する注記(改正前四半期連結財規 第27条の2)
⑥賃貸不動産に関する注記(改正前四半期連結財規 第27条の3)
⑦担保資産の注記(改正前四半期連結財規 第46条)
⑧たな卸資産及び工事損失引当金の注記(改正前四半期連結財規 第53条)
⑨1株当たり純資産の注記(改正前四半期連結財規 第59条)
⑩税効果会計について簡便法を採用し、税金費用を一括掲記した場合の注記(改正前四半期連結財規 第77条2項)
⑪発行済株式に関する注記(改正前四半期連結財規 第88条)
⑫自己株式に関する注記(改正前四半期連結財規 第89条)
⑬新株予約権に関する注記(改正前四半期連結財規 第90条)
⑭リース取引に関する注記(改正前四半期連結財規附則 第3条)
なお、手形割引及び裏書譲渡高の注記(改正前四半期連結財規 第52条)についても条文は削除されていますが、ガイドラインで偶発債務の注記に含まれるとされているので、注記が必要なのは変化ありません(財規ガイドライン58、四半期財規ガイドライン46、四半期連結財規ガイドライン51)
2.第1四半期および第3四半期で注記等の省略が認められるもの
以下の項目については、第1四半期及び第3四半期で注記等を省略することが認められています。
①連結キャッシュ・フロー計算書(四半期連結財規 第5条の2)
②B/Sで「たな卸資産」を一括掲記した場合の内訳の注記(四半期連結財規 第35条5項)
③販売費及び一般管理費を一括掲記した場合の内訳の注記(四半期連結財規 第69条3項)
④金融商品等に関する注記(四半期連結財規 第17条の2)
⇒総資産の大部分を金融資産が占め、かつ、総負債の大部分を金融負債及び保険契約から生じる負債が占める場合を除きます
3.新たに注記等が必要なもの
以下の項目については、新たに注記等が必要とされています。
①第1四半期および第3四半期でCF計算書の作成を省略した場合には、以下の事項を注記する必要があります(第27条の2)
・当四半期連結累計期間に係る減価償却費
・当四半期連結累計期間にのれんの償却額
②比較情報の作成(四半期連結財規 第5条の3)
⇒従来との違いは、遡及修正の会計基準の適用開始に伴い、前期の財務諸表を当期の財務諸表と整合するように修正して作成されたものを開示しなければならないという違いがありあます。
③遡及修正会計基準の適用に関連する注記(四半期連結財規 第10条の3~6)
⇒会計方針を変更した場合、それによる影響額の開示は従来から必要でしたが、従来はその変更により当期の損益に与える影響の開示が求められていたのに対して、今後はその会計方針の変更等により比較情報として開示されている前期の損益等に与える影響の開示が必要となります(四半期連結財規 第10条の3、四半期財規 第5条の2、四半期財規ガイドライン5等)。
4.注記等の省略が認められるもの
①四半期連結財務諸表等の3カ月(四半期会計期間)情報の作成
⇒従来作成することも認められますが、任意になりました。
こうみると、いままで結構がんばっていたんですね。
日々成長。