2011年の新規上場の状況-予定では36社
日興アセットマネジメントが15日に予定していた株式の新規上場を延期する方針だそうです。1株の売り出し価格は840円を想定し、住友信託が保有する日興アセットの株式を約3割売り出し、約480億円を得る計画でしたが、主幹事証券が国内外の機関投資家に需要調査を実施したところ「売り出し価格が高い」との声が出たようです。価格を下げれば売却益が減少してしまうため、市場の回復を待つこととしたとのことです。
11月下旬にパソコンのトラブルサポートなどを手がけるキューアンドエーがジャスダック市場への上場延期を発表した上、大型銘柄の日興アセットマネジメントが上場を延期したことによってIPO市場が再び冷え込みそうな感じです。
2011年に上場した会社を調べたところ12月に上場予定の会社を含めて以下の36社(うち12月予定10社)でした。
12月にこれから上場予定の会社を除いた26社のうち、12月2日の終値が公募価格を上回っているのは、わずか8社でした。もちろん市場自体が冷え込んでいるということもありますが、市場別にみるとジャスダックが16社、マザーズが11社となっており、新興市場と言われる上場会社が36社の75%を占めることからすると寂しい状況といえます。
主幹事証券別にみると、野村が12社でトップですが、大和CMも11社でほとんど差はありません。あとは「みずほ」が4社、三菱UFJと日興が3社となっています。
ちなみに、12月2日の終値が公募価格を上回っている8社の主幹事をみると大和CMが4社、野村が3社、SMBCフレンド1社となっています。取扱数が多いため大和CMおよび野村が多いのは当然とも言えますが、やはり優良な案件を多く抱えているということではないかと思います。
オリンパスや大王製紙の一件もあり、そもそも株式市場の状況がよくない上、上場審査は厳しくなることが予想され、IPOを考えている会社には悩ましい状況と言えそうです。
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