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消費税(その5)-個別対応方式用途区分3 国税庁Q&A

2012年3月26日に国税庁から” 平成23年6月の消費税法の一部改正関係- 「95%ルール」の適用要件の見直しを踏まえた仕入税額控除の計算方法に関するQ&A”が公表されました。

【基本的な考え方編】と【具体的事例編】の2部構成で、今回は【基本的な考え方編】から個別対応方式の用途区分に関連した部分をいくつか確認します。

個別対応方式の場合、課税仕入れ等の用途区分は取引ごとに行わなければならないという話がよく出てきますが、この点について「個別対応方式における用途区分(用途区分の方法)」というタイトルで問12および回答が以下のようにが示されています。

————————————————————————
(問12)
個別対応方式は、その課税期間における個々の課税仕入れ等の全てについて、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通対応分に区分(以下「用途区分」といいます。)し、その区分が明らかにされている場合に適用できる計算方法ですが、その用途区分を明らかにする方法について教えてください。

(答)事業者の行う課税仕入れ等について、課税売上対応分、非課税売上対応分又は共通対応分であることが明らかとなるように、例えば、課税仕入れ等に係る帳簿にその用途区分を記載する、又は、会計ソフトにその用途区分を入力するなど、申告後においても客観的に判断できるように用途区分されていればよく、その区分方法は問いません
————————————————————————-

上記からすると、会計ソフトを使用していれば消費税の区分を入力しなければならないと思いますので、必要以上に気にする必要はなさそうです。

続いて、これも以前のエントリで書いたことがありますが、非課税売上が預金利息しかない場合に、その期の課税仕入れ等を全額、課税売上のみに要するものとすることができるかという点について、問19で以下のように示されています。

————————————————————————–
(問 19)非課税資産の譲渡等については預金利子しかなく、この預金利子を得るためにのみ必要となる課税仕入れ等はありません。このような場合は、その課税期間における課税仕入れ等の全てを課税売上対応分として区分できますか。

(答)課税売上対応分として特定されない事務費等の課税仕入れ等については、共通対応分として区分することとなります。個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通対応分に区分する必要があり、この用途区分は、原則として課税仕入れ等を行った日の状況により、個々の課税仕入れ等ごとに行う必要があります(基通 11-2-18、基通 11-2-20)。 預金利子を得るためにのみ必要となる課税仕入れ等はないとのことですが、消費税が非課税となる預金利子が事業者の事業活動に伴い発生し、事業者に帰属するものであることからしても、例えば、総務、経理部門等における事務費など、課税売上対応分として特定されない課税仕入れ等については、共通対応分として区分することとなります
—————————————————————————–

結論としては、預金利息があるのであれば、いわゆる管理部門で発生した課税仕入れ等については共通対応分としなければならないということになっています。

続いて、消費税基本通達11-2-19を適用して、共通対応分を課税売上対応分と非課税売上対応分に区分することができるものの基準について問20で以下のように示されています。

——————————————————————–
(問 20)基通 11-2-19 を適用して共通対応分を合理的な基準により、課税売上対応分と非課税売上対応分とに区分することが可能なものについて教えてください。

(答)

1  基通 11-2-19 の概要
基通 11-2-19《共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合》では、・・・(中略)。
この場合の区分することが可能なものとは、原材料、包装材料、倉庫料、電力料のように製品の製造に直接用いられる課税仕入れ等をその適用事例の典型として示していることからも明らかなように、課税資産の譲渡等又は非課税資産の譲渡等と明確かつ直接的な対応関係があることにより、生産実績のように既に実現している事象の数値のみによって算定される割合で、その合理性が検証可能な基準により機械的に区分することが可能な課税仕入れ等をいいます。
(以下省略)
—————————————————————————

ポイントとなりそうな点は太字にしましたが、以下の4点です。
①明確かつ直接的な対応関係があること
② 既に実現している事象の数値のみによって算定される割合であること
③事後的に合理性が検証可能な基準であること
④機械的に区分可能であること

ところで、上記のQ&Aの前提となっている消費税基本通達11-2-19は、「共通して要するもの」を「課税売上のみに要するもの」と「非課税売上のみに要するもの」に按分できるかということになっていますが、「共通して要するもの」を「課税売上のみに要するもの」と「共通して要するもの」に区分できるのかが問題となります。

例えば、同じフロアに管理部門と営業部門がいるような場合に、そのフロアの賃料全額を「共通して要するもの」とするのではなく、これをさらに使用している面積割合等で「課税売上のみに要するもの」と「共通して要するもの」に按分できるかです。

この点について、「経理担当者のための消費税「個別対応方式」適用ガイド( あいわ税理士法人)」では、「本通達が「共通して要するもの」であっても合理的な基準により用途を区分することを容認する趣旨であることを鑑みれば、当該区分も認められるのではないかと考えます。」(P-66)とされています。

管理部門と営業部門のフロアが分かれており、対応する賃料も明らかである場合は、両者を「課税売上のみに要するもの」と「共通して要するもの」に区分することは可能と考えられ、同じフロアであろうがフロアが分かれていようが実質的には同様と考えられることからすれば、「共通して要するもの」を「課税売上のみに要するもの」と「共通して要するもの」に按分できると考えても筋は通っているように思います。

平成23年税制改正により個別対応方式を採用する会社が増加するので、今後この点を明らかにするような通達も出てくるのではないかと思います。

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