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「退職給付に関する会計基準(企業会計基準第26号)」の公表(その1)

2012年5月17日にASBJから改正した「退職給付に関する会計基準(企業会計基準第26号)」が公表されるとともに、従来の実務指針を改正した「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号)が公表されました。

まず、一番気になる適用時期は以下のようになっています(基準第34項)。

<原則>
平成25 年4 月1 日以後開始する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用

<>容認>
平成25 年4 月1 日以後開始する事業年度の期首から適用することができる

3月決算の場合で考えると、来期末からの適用ということになります。

一番大きな改正点を大雑把にまとめると、従来の未認識項目を負債計上する必要があるということになります。

ただし、この取り扱いは連結財務諸表のみで、個別財務諸表については、当面の間、従前の取り扱いを継続するとされています(基準第39項)。

基準の表現に従って記載すると、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債務を税効果調整の上で、純資産の部のその他の包括利益累計額で認識し、積立状況を示す額を退職給付に係る負債として計上することとされたということになります。

今回の改正によって、名称変更等(例えば「退職給付引当金」を「退職給付にかかる負債」)も行われているので、基準の表現を使うと「積立状況を示す額を退職給付に係る負債として計上する」というような表現になります。

従来の基準の表現でいえば、「退職給付債務に未認識過去勤務債務及び未認識数理計算上の差異を加減した額から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する」ということになりますが、この部分が、改正基準では以下のように改正されています。

基準第13項
「退職給付債務(第16 項参照)から年金資産の額(第22 項参照)を控除した額(以下「積立状況を示す額」という。)を負債として計上する。」

つまり、退職給付債務-年金資産額=負債として計上すべき額

ということになるわけです。

一応、数理計算上の差異と過去勤務債務の部分の基準がどうなったのかについても記載しておくと、

①数理計算上の差異(第24項)

「数理計算上の差異は、原則として各期の発生額について、予想される退職時から現在までの平均的な期間(以下「平均残存勤務期間」という。)以内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する(注7)(注8)。
また、当期に発生した未認識数理計算上の差異は税効果を調整の上、その他の包括利益を通じて純資産の部に計上する(第27 項参照)」

②過去勤務費用(第25項)

「過去勤務費用は、原則として各期の発生額について、平均残存勤務期間以内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する(注9)(注10)。
また、当期に発生した未認識過去勤務費用は税効果を調整の上、その他の包括利益を通じて純資産の部に計上する(第27 項参照)。」

以上の規定をまとめると前述の、「退職給付債務に未認識過去勤務債務及び未認識数理計算上の差異を加減した額から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する」ということになると思います。

一番大きな改正点はこれだと思いますが、退職給付債務の計算方法や開示項目の増加などの改正も行われているので、次回はこれらの項目について確認します。

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