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消費税(その14)-課税売上割合に準ずる割合

消費税(そのXX)シリーズも今回で最終回となります。消費税について、もう書かないというわけではありませんが、主に参考にしていた「経理担当者のための消費税「個別対応方式」適用ガイド」がこれでほぼ一巡するためです。

最後は、「課税売上割合に準ずる割合」についてです。

「課税売上割合に準ずる割合」は、原則どおり「課税売上割合」を用いて計算した仕入控除税額がその事業者の事業実態を適正に反映しなくなることがあることを考慮して、一定の場合に、「課税売上割合」に代えて用いることができるとされているものです。

例えば、たまたま土地の譲渡があった場合、そのまま課税売上割合を計算すると課税売上割合が例年に比べて大きく低下してしまう可能性があります。あるいは、余剰資金を債券で運用していて資金が必要となったので売却したようなケースでも、課税売上割合が例年と比べると低く計算されてしまうことがありえます。

したがって、このような場合には「課税売上割合に準ずる割合」が使用できないかを考えてみる必要があります。

「課税売上割合に準ずる割合」を使用するためには、以下の要件を満たす必要があります(消費税法30条3項)。
①当該事業者の営む事業の種類又は当該事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであること
②「課税売上割合に準ずる割合」を用いて計算することについて、その納税地を所轄する税務署長の承認を受けたものであること

(1)税務署長の承認

順番は前後しますが、上記のとおり、「課税売上割合に準ずる割合」を使用する場合には税務署長の承認が必要となります。そして、この承認の効果は承認日の属する課税期間から生ずることとされているので(消費税施行令47条5項)、「課税売上割合に準ずる割合」の使用を希望する期間の末日までに承認を受けておく必要があるということになります。

ということで、期末直前に多額の土地の売却や有価証券の売却が行われそうなときは、税理士さんが気づいたときは手遅れということもありえますので、まずは注意が必要です。

(2)「課税売上割合に準ずる割合」の算定方法

次に、「課税売上割合に準ずる割合」にはどのようなものがあるかですが、この点については消費税法基本通達11-5-7で以下が例示されています。

・使用人の数又は従事日数の割合
・消費又は使用する資産の価額、使用数量、使用面積の割合
・その他課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものの性質に応ずる合理的な基準

把握に手間がかかりすぎる基準だと、消費税額を軽減できる以上に費用がかかるということもありえなくはないので、できるだけシンプルな基準を選択したほうがよいのではないかと思います。

(3)たまたま土地の譲渡があった場合

たまたま土地の譲渡があった会社については、国税庁のHPに掲載されている「質疑応答事例」で上記(1)および(2)をより具体化した内容が示されています。

①承認要件
まず、税務署長の承認要件として、以下の二つが示されています。
・その土地の譲渡が単発のものであること
・その土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと認められる場合であること

なお、「土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと認められる場合とは、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内である場合とします」とされています。

要は、過去3年間で最も高い課税売上割合-過去3年間で低い課税売上割合≦5%、という状態でなければならないということです。

②「課税売上割合に準ずる割合」の計算方法
たまたま、土地の譲渡があった場合の「課税売上割合に準ずる割合」については、次のa)又はb)の割合のいずれか低い割合によるとされています。

a)当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
b)当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

ざっくりといえば、3期通期平均と直前期のいずれか低い方という理解でよいと思います。

③承認の継続期間

上記(1)で税務署長の承認の効果は、承認日が属する期間以降に発生するとしていますが、照会事例の中で「この課税売上割合に準ずる割合の承認は、たまたま土地の譲渡があった場合に行うものですから、当該課税期間において適用したときは、翌課税期間において適用廃止届出書を提出させるものとし、提出がない場合には、その承認の取消しを行うものとします」とされているので、念のため付け加えておきます。

日々成長。

 

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