「社債発行差金」は今・・・
受験勉強時代に簿記の問題で頻出事項であった割に、振り返ってみると実務で触れる機会がほとんどなかったものの一つに「社債発行差金」があります(個人差はあると思いますが・・・)。
受験時代に刷り込まれた記憶が強いもので、触れる機会が少ないものは、現在の会計処理等がどうなっているのか時々混乱してしまいます。
繰延資産については「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(実務対応報告第19号)」があること位は覚えているので、必要に応じて確認することはできるものの、あまり触れる機会がないものの処理方法はどうしても記憶が曖昧になります。
結論としては、「社債発行差金」は平成18年に公表された「金融商品に関する会計基準」26項において「社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって、貸借対照表価額としなければならない」とされたことで、発生することがなくなっています。
したがって、平成18年以降に簿記の勉強をした方にとっては、「社債発行差金」って何?という感じかもしれません。
今回、「社債発行差金」について書いたのは、先日「企業会計原則」の「繰延資産の内容と表示」で「社債発行差金」という用語を見て、現行の処理を確認したということによります。
「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い(実務対応報告第19号)」では、「本実務対応報告では、繰延資産の考え方は企業会計原則に示されている考え方を踏襲しているものの、繰延資産の具体的な項目は、会社法などに対応するため、企業会計原則とは異なるものがある。繰延資産の具体的な項目については、本実務対応報告の取扱いが企業会計原則の定めに優先することになる。」とされてはいますが、いい加減「企業会計原則」をどうにかしてもらいたいところです。
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