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出る杭はもっと出ろ!

「英国海兵隊に学ぶ最強組織の作り方」(岩本 仁 著)

欧米では、近年、軍隊上がりのエリート将校を企業の幹部に採用しようとする動きが活発化しているという話を聞いたことがありますが、マッキニーロジャーズ日本代表の岩本仁氏が「英国海兵隊に学ぶ最強組織の作り方」という本で、近年軍隊で採用されているマネジメントについて述べていました。

「マッキニーロジャーズ」という会社名を聞いたことはありませんでしたが、同書で紹介されている内容からすると、元英国海兵隊の将校で24万人のクルド難民を1カ月で移送するミッションを指揮したダミアン・マッキニーという方が英国海兵隊を名誉除隊後設立したコンサルティング会社だそうです。そして、同書を書いている岩本仁氏は、軍隊未経験者ではじめて同社の役員に就任した方とのことです。

軍隊の組織というと、トップダウン型のピラミッド型の組織形態で、上官の命令は絶対といった指揮命令系統が整備されている組織をイメージしますが、近代の軍隊ではそのようなガチガチの指揮命令系統で統制するマネジメントを採用されておらず、「ミッションコマンド」という権限移譲型のマネジメント手法が採用されているそうです。近年において権限移譲型のマネジメント手法が軍隊で採用されているのは、軍隊の活動内容が大きく変化しているためです。つまり、テロ対策やゲリラ対策などでの軍の出動が中心となっていますが、これらの敵は予測不能であり伝統的な軍隊のマネジメント手法である中央集権・絶対服従のやり方は全く機能しなくなっているためだそうです。

そして、この軍隊式マネジメントをビジネスにも活かそうというのがこの本で書かれている主題で、ミッションコマンドをビジネスの世界に応用できるように再構築したものが「ミッションリーダーシップ」と呼ばれています。このミッションリーダーシップは、海外ではウォールマート、ゴールドマンサックスなどで取り入れられ効果をあげているそうです。

ミッションリーダーシップは、ビジョンとミッションという「プロセス」とリーダーに求めれる「行動規範」であるリーダーシップから構成されるとされています。「ビジョン」とか「ミッション」というとなんだかよくわからないかもしれませんが、それぞれ以下のように説明されています。
ビジョンとは、組織のメンバーが力を合わせて実現を目指す夢のあるゴールのことです。一方、ミッションとは、ビジョンを実現するために必要なステップのことです。また、リーダーシップとは、リーダーたちが示すべき言動と説明されています。

ビジョンには以下の三つが重要な要素とされています。
①簡潔で明快なこと
②夢を語っていること
③実現期日が明示してあること
加えて、企業の歴史が込められており、その企業ならではの成果が示されているものが、その企業にとってよいビジョンとされています。

一方、ミッションはビジョンの達成に向けてのステップとなるもので、いわば短期的に達成すべき目標と説明されています。ここで、面白いのはミッションの設定においては、何(What)となぜ(Why)を明記する一方で、どのように(how)は入れないという点です。これは、「どのように」は現場の担当者の判断に任せるためです。そしてミッションを担った各部署やリーダーたちは、ミッションを達成していくために幾つかの成果目標(タスク)を設定します。そして、ミッションやタスクの達成状況については組織内でタイムリーに供する必要があるとされています。ここで、「どのように」は現場に任せるとしながら、進捗状況強を管理するのは矛盾しているかのように見えますが、ミッションリーダーリップでは、「任される」ことと、「情報を共有しない」ことを混同することは許されないとされています。なぜなら、進捗状況が共有されていないと、だれかのミッションが達成困難であることが明らかになっても組織全体でカバーするというような対処がとれないためです。

リーダーシップのモデルについては、ASPIREモデルというものが提唱されています。それぞれ、Aim(目的)、Situation(状況)、Plan(計画)、Inspire(示唆)、Reinforce(強化)、Evaluate(評価)の頭文字をとったものです。

①Aim・・・組織の目的を明確にしてメンバーと共有すること

②Situation・・・組織が置かれている状況を明確にメンバーと共有すること

③Plan・・・目的を達成するための計画を明確にし、メンバーと共有すること

④Inspire・・・モチベーションを高めること

⑤reinforce・・・組織が困難に直面したり、想定外の変化で混乱したとき、絶対にあきらめずにミッションを達成するまで継続させること

⑥Evaluate・・・組織の活動をたえず評価し、学習内容を次に生かすこと

権限を委譲しつつ、それを会社の目的に沿って行使するように促す仕組みと言えるのではないかと思います。

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