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平成26年3月31日出荷(売上)・4月1日検収(仕入)に適用される消費税率は?

経営財務3263号の税務の動向に「売上・仕入計上時期」が異なる場合の消費税率の留意点」という記事が掲載されていました。

現在の予定では平成26年4月1日以後に行われた資産の譲渡等又は課税仕入れから新消費税法が適用されますが、出荷基準により売上側が3月31日売上を計上し、仕入側が検収基準で4月1日以降に課税仕入れを計上する場合に、それぞれの適用税率はどうなるのかという点について述べられていました。

この点について、同記事では「消費税は本来、前段階で課された消費税額を控除(仕入税額控除)することで最終消費者が税を負担する仕組みであることを踏まえると、請求書等で本体価格と消費税額が区分されていることと等により転嫁された消費税額に係る税率が明らかな場合、仕入側はその税率を適用して仕入控除税額の計算をすることになるものと考えられる」という見解が示されています。

消費税法上、棚卸資産の譲渡の時期は「資産の引渡しのあった日」とされており、引き渡しの日をいつにするかについては、出荷日、相手側の検収日など棚卸資産の種類や性質、契約内容等に応じて引き渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡を行ったこととしている日によるとされています(消費税法基本通達9-1-1、9-1-2)。

したがって、仕入側が検収基準を採用しているのであれば3月31日に出荷されたものであっても検収日が4月1日であれば8%が適用されるのが原則となります。

しかしながら、仕入側は売主に5%分の消費税しか支払っていないところ、8%の仕入控除税額を計算すると3%分多く控除してしまうことになるので、冒頭のような考え方から5%で仕入控除税額を計算することになるということです。

5%の消費税が請求されている場合に、5%で仕入控除税額を計算するのは、衡平が保たれ明確ではありますが、仕入側からすれば上記のようなケースにおいて8%で仕入控除税額を計算したほうが有利です。したがって、「考えられる」なのか「しなければならない」なのかが重要ですが、この点については明確ではありません。

また、仮に5%しか請求されていない場合には5%で仕入控除税額を計算するということであれば、その裏側として5%しか消費税を預かっていなければ納税する消費税額も5%で計算することができるということになるのではないかと思います。

つまり、年間保守サービス料金を前受金や前受収益に計上して、期間按分している場合に当初受領した消費税が5%であれば平成26年4月1日以降に売上計上される分についても5%で仮受消費税を計上できるということになるのではないかと思います。

しかしながら、年間保守サービス料金の前受金や前受収益に含まれる消費税については、たとえ5%分の消費税しか受領していなくても平成26年4月1日以降に売上計上される分については8%で仮受消費税を計上しなければならないという見解が今のところ優勢です(機会がある度に税理士と名の付く人に質問してみている結果からの私見です)。

だとすると、売主側が5%しか消費税を請求していなくても8%で仕入控除税額を計算することができることもあり得るのではないかと思います。

予定通りにいっても消費税増税まではまだ9か月位ありますので、今後このような点についても「しなければならない」のかどうかが明確に示されることになるのではないかと思います。

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