風疹の予防接種を就業規則で義務化できるか
最近の風疹の流行を受けて、ある会社で、それならば就業規則を改正して従業員に風疹の予防接種を義務化してはどうか?という話がでました。
会社の立場からすれば、集団感染を防止するという点で合理的な考えではありますが、就業規則で風疹の予防接種を義務化するというのは問題があるといえます。
これはインフルエンザの予防接種でも同様ですが、確率的にはわずかであっても副作用が生じる可能性があるので予防接種を強制して副作用が出た場合に会社側に責任が生じると考えられます。特に、女性従業員が妊娠に気付かずに風疹の予防接種を受けたような場合に大問題に発展する可能性を秘めています。
したがって、風疹の予防接種を就業規則で義務化するというのは避けたほうが無難だといえます。会社としてできるのは、風疹の抗体を有していない可能性が高いのは1979年4月2日から1987年10月1日までの間に生まれた人である旨、およびこれ以外の年代であっても男性は風疹の予防接種を受けていない人も多い旨を啓蒙し自発的な抗体検査および予防接種を促すということだと考えられます。
どうしても就業規則に定めたいということであれば、強制ではなく努力義務として定めるようにする必要があると考えられます。
なお、定期健康診断時に抗体検査を従業員に無断で行うようなことは認められませんので注意が必要です。
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