特定公社債とは?
いわゆる新金融証券税制によって、平成26年1月1日以降上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る軽減税率が廃止されたり、平成28年1月1日以降は株式等に係る譲渡所得等の取扱いが変更になったりしますが、今回の改正内容を確認していくと「特定公社債」および「特定公社債等」というものがよく登場します。
そこで、新金融証券税制の詳細を確認する前に、「特定公社債」と「特定公社債等」の内容を確認してみることにします。
「特定公社債」とは
特定公社債とは、以下のものなどをいうとされています(措法37の11②一・五~十四)。
- 国債、地方債、外国国債、外国地方債
- 公募公社債、上場公社債
- 会社以外の法人が特別の法律により発行する社債(投資法人債及び特定目的会社の特定社債を除く)
- 平成27年12月31日以前に発行された公社債(発行時に源泉徴収がされた割引債を除く
- 発行日の前6カ月以内に有価証券報告書を提出している法人が発行する社債
「特定公社債等」とは
特定社債に「等」がついて「特定社債等」になった場合に何が含まれるのかですが、「特定社債等」には以下のものが含まれます。
一般人には関係なさそうなものも多いですが、国債、外国債、上場公社債、公募公社債投資信託などの取扱いが平成28年1月1日以降は変わるとイメージしておけばよいと思います。
なお、「特定公社債等」に対するものとして「一般公社債等」があります。この「一般公社債等」には以下のものが含まれます。
一般人にはほとんど無関係のものばかりだと思いますが、同族会社が発行している少人数私募債の取扱いが変更になるのも今回の改正のトピックなので、とりえあず「私募」のものはこちらに該当すると考えておけばよいと思います。
課税方法はどう変化するか
現在の課税方法と平成28年1月1日以降の課税方法を比較すると以下のようになっています。
(*1)同族会社が発行した社債に係る利子および償還金のうち、その同族会社の役員等が支払いを受けるものは、総合課税の対象とされます。
上記の取扱いの変更に伴い上場・非上場株式等の税務上の取扱いも変更になっていますが、これについては別の機会にまとめることにします。
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