2013年9月の金融円滑化法利用後倒産が過去最高を記録-帝国データバンク調べ
2013年10月8日に帝国データバンクから公表された「全国企業倒産集計 2013 年度上半期報」によると、9月の金融円滑化法利用後倒産件数は61件と過去最高を記録しました。
8月には発生件数が大きく減少したものの、「多くの中小企業を取り巻く環境は変化しておらず、反動増を警戒しなければならない」という帝国データバンクの懸念のとおり9月の発生件数は大きく増加しました。
帝国データバンクの分析では「“実現可能性の高い抜本的な経営再建計画”を策定し、それを実行していくことの重要性が叫ばれていたが、再建計画を実行することの難しさが倒産件数の増加という形で徐々に表面化してきたと言える。」とされており、「金融機関の継続支援の有無に関わらず、計画が実行できずに破綻する企業も多いとみられ、「金融円滑化法利用後倒産」は、今後も増加傾向を辿るであろう」とまとめられています。
ちなみに負債総額でみると2013年度上期合計で約2,073億円(2012年度は年間で3,450億円)となっています。
平成25年8月7日に金融庁が公表した「中小企業金融円滑化法の施行状況の推移」によると、平成25年3月末時点で円滑化法の利用件数(実行件数)は約407万件となっています。ちなみに金額ベースでは以下の通り112兆3,490億円となっています。
(出典:「中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について(別紙1)」金融庁 平成25年8月7日)
円滑化法を利用した会社は、それだけ苦しい状況にあった(ある)ことからすれば、上記のように母集団が大きい中でこれくらいの倒産件数にとどまっているのはある意味スゴイことのように感じます。
倒産件数自体は前年同期の 5439 件を 2.2%下回り、4 年連続の前年同期比減少となっているとのことで、一見すると景気がよくなってきているかのように見えますが、円滑化法終了後も金融庁が「金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべき」と目を光らせていることから実態が把握しにくい状況になってるように思います。
貸出条件が変更されている残高が開示されていれば、直感的に状況が把握しやすいので、申込み件数や実行率の累計だけではなく、時点時点の残高も開示してもらいたいものです。
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