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連結会計基準等の改正(その4)-子会社株式の一部売却(連結→連結)

「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正(その4)として、子会社株式の一部売却の処理について確認します。

以下の二つの点から従来の処理とは処理方法が異なることになります。

  1. 子会社株式を追加取得している場合、追加取得時には「のれん」が計上されていない
  2. 支配関係が継続している場合には、親会社の持分変動があっても、支配獲得時に計上した「のれん」の未償却額は減額しない(連結会計基準66-2項)。
  3. 言い方を変えると、売却した株式の連結上の簿価は子会社純資産の親会社持分×売却割合になります。

基準66-2項にも示されているとおり、一部売却時に計上されていた「のれん」を減額するかしないかないかについては、双方とも一定の根拠があるものの実務上の負担や国際的な会計基準における取り扱いを考慮して、減額しないこととしたとのことです。

上記でいうところの「実務上の負担」というのは、ASBJの方の解説によると、システム的に対応するのが困難(面倒)であるとの意見が大きかったようです。

それでは、まず持分比率60%から80%(20%追加取得)となり、その後20%を売却し60%となったというケースの処理を考えてみます。
ただし、60%から80%への処理については、”「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正(その2)-追加取得時の処理”で述べた実務指針の設例5を前提とし、今回は80%から20%を売却した部分の処理を考えることにします。

そして、一部売却時の前提条件(念のため追加取得までの経緯も簡単に記載します)は以下のとおりとします。

(前提条件)

  • P社はX2年3月31日にS社株式の60%を900で取得し、連結子会社化した。
  • 支配獲得時のS社の土地(簿価800)の時価は1,200であった。
  • 取得時のS社繰越利益剰余金は300
  • 税効果は考慮しない。
  • 60%取得時に「のれん」180が計上された。
  • のれんは10年間で均等償却を行う。
  • P社はX3年3月31日にS社株式の20%を300で追加取得した(よって、この時点における、S社株式の個別上の簿価は1,200)。
  • 追加取得時に投資消去差額10が生じ、資本剰余金として処理されている。
  • S社のX3年3月31日の貸借対照表は以下の通りであった。
  • ここから、一部売却時の追加前提

  • P社はS社株式の20%(簿価300)をX4年3月31日に324で売却した(株式売却益24を計上)。
  • S社のX4年3月31日の貸借対照表は以下の通りであった。
  • X4331BS

    1.S社修正仕訳

    借)土地 400 貸)評価差額 400

    2.開始仕訳

    借)資本金      500  貸)S社株式     1,200
      繰越利益剰余金*1  458    非支配株主持分*3 310
      評価差額    400資本剰余金    10
      のれん*2    162

    *1 取得時利益剰余金300+取得後利益剰余金350×非支配株主持分40%(追加取得前)+のれん償却1年分18
    *2 取得時のれん計上額180-X3年月期償却額18
    *3 (X3年3月末S社純資産1,150(500+650)+評価差額400)×20%(非支配株主持分比率)

    3.のれん償却

    借)のれん償却 18 貸)のれん 18

    4.非支配株主に帰属する当期利益の計上

    借)非支配株主に帰属する当期純利益 20 

    貸)非支配株主持分 20

    当期利益100×20%

    5.株式売却損益の修正

    借)S社株式  300  貸)非支配株主持分 330
      株式売却益  24
      資本剰余金    6 *1

    *1 売却持分の連結上の簿価 330-売却価額324=6(従来の売却損→資本剰余金)

    上記の前提では「のれん」が計上された当初取得時(60%)が残る形となっていますが、仮に25%売却であったとしても連結子会社にとどまる限り「のれん」の未償却額を減額するということがないというのが従来との大きな違いとなります。

    日々成長

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