閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

条文の読み方(その5)-者・物・もの

条文の読み方(その5)として、「者」・「物」・「もの」についてです。漢字から「者」と「物」の違いはイメージできますが、「もの」がどういった場合に使われるのかがポイントです。

1.者

「者」は、法律上の人格を有するもの(自然人及び法人)を指す場合に用いられます。

「者」というと自然人が連想されますが、法人も含まれるというイメージを持っておく必要があるということです。

使用例
会社法7条
(会社と誤認させる名称等の使用の禁止)
第七条  会社でないは、その名称又は商号中に、会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

2.物

「物」は、権利の目的となる、外界の一部を構成する物件を指す場合に用いられます。

「物」は漢字のイメージそのものといえそうです。会社法で使用例を探してみると、おもしろいことに「物」のみで使用されている箇所は数か所だけで、代わりに「物品」、「現物」、「物件」といったような単語として使用されています。「物」はこのように単語を構成する一部として使用されることが多いという特徴があるのかもしれません。

使用例
(事件に関する文書の閲覧等)
会社法886条3項
3  前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録したを含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらのについて利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

3.もの

「もの」は、大きく以下の三つの用法で用いられます。

  1. 「者」又は「物」にあたらない抽象的なものを指す場合
  2. あるものにさらに要件を加えて限定する場合
  3. ある行為の主体として、人格のない社団又は財団を指す場合、あるいは、これらと個人・法人とを合わせて指す場合

なんだか複雑ですが、具体例を探してみることにします。

(募集社債に関する事項の決定)
会社法676条12号
一  募集社債の総額
二  各募集社債の金額
三  募集社債の利率
四  募集社債の償還の方法及び期限
五  利息支払の方法及び期限
六  社債券を発行するときは、その旨
七  社債権者が第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨
八  社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨
九  各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法
十  募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日
十一  一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日
十二  前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

この条文の1号から11号までは金額、利率、方法や日程など「物」や「者」にあたるものではなく、抽象的な事項となっています。「前各号に掲げる」と、これらを総括して「もの」としているため、これは上記の1の使用方法であると考えらえます。

(債権者集会の招集の通知)
会社法549条4号
4  前三項の規定は、債権の申出をした債権者その他清算株式会社に知れている債権者であって一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権又は特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を有するものについて準用する。

この条文で使用されている「もの」は「債権者」のうち、さらに「費用請求権」を有している債権者に限定しているので、上記の2の使用法にあたると考えられます。

(定義)
会社法2条2号
二  外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。

「法人その他の外国の団体」には、法人格を有する団体とそうでない団体が含まれますので、これは上記の3の使用法であると考えられます。

日々成長

関連記事

  1. 借地権とは?(その2)

  2. 虚偽記載等の損害賠償責任が過失責任に

  3. 「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に…

  4. 法務省等が押印についてのQ&Aがを公表ー判子はそれほど…

  5. 追徴可能なのに無体財産の没収手続が重要なのは何故?-金商法改正

  6. 条文の読み方(その3)-「遅滞なく」「直ちに」「速やかに」




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,947,699 アクセス
ページ上部へ戻る