上場直後の食中毒発生は運が悪い?-鳥貴族
そこで、店舗数および売上高の推移から推測してみることにします。2010年度から2013年度の売上高の増加額、直営店・加盟店それぞれの増加店舗数は以下のようになっています。
(Iの部店舗数推移から作成)
ロイヤルティがいくらなのかが不明ですが、ネットで検索してみると2010年の記事ですが、加盟料50万円、ロイヤルティ5万円定額というものがありました。現在、新規加盟店の募集は行っておらず、社員の独立制度があるだけですが、社員が独立した場合のロイヤルティが月額5万円とのことですので、上記も月額5万円ということでよいと思います。
加盟店数は上記のとおり現在170店舗程度あるものの、それを運営している会社は12社しかありません。したがって、加盟料やロイヤルティが新規1店舗当たりなのか、法人1社当たりなのかによって大きく異なりますが、いくつかのケースで考えてみます。
1)新規出店1店舗につき加盟料、ロイヤルティが追加される場合
この場合、既存店舗の売上を一定とすると、直営店の一店舗当たり売上は以下のように推移していることになります。ちょっと違和感はありますが、知名度が高まるにつれて新規店舗が大型化しているということであれば可能性はあります。
ただし、この仮定によった場合であっても、加盟店からのロイヤルティ等の売上は年間で1億円少々(60万円×169店舗+新規加盟料)ということになりますので、影響額は僅少ということになります。そのため、加盟店からのロイヤルティ収入が開示されていないということなのかもしれませんが、そうであれば加盟店の店舗数なんかも開示不要かなという感じはします。
2)新規出店1店舗につきロイヤルティのみ追加される場合
この場合、直営店の一店舗当たり売上はさらに大きくなり、以下のように推移していることになります。
上記からいずれにしても直営店の増加により利益が大きく増加しているということになりそうですが、2012年からロイヤルティの形態が変更になっているという可能性も否定できません。仮にロイヤルティの増額のようなことがあった場合には、苦しくなった加盟店で衛生管理対策がおろそかになったということもあるかもしれません。
また、ロイヤルティが月額5万円のままであったすると、加盟店にとって安いロイヤルティはありがたいですが、裏を返すとそのロイヤルティの水準に見合った指導・監督しか行っていなかったということも考えられます。
事業等のリスクには、当然食中毒を生じさせてしまうリスクについて記載されていますが、食中毒が他の店舗でも立て続けに発生するという事態は何としても避けなければならないので、今後の業績にどのような影響がでてくるのか注目です。
日々成長