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美術品等の償却見直しと償却資産税

税務通信3339号の税務の動向に「償却資産税 国税の美術品等の通達改正に連動」という記事が掲載されていました。

現段階において、書画骨とうなどの美術品等については取得価額が20万円未満のものだけが償却可能とされ、20万円以上のものについては、時の経過よって価値が減少する性質のものではないとの考え方から減価償却の対象とすることは認められていません。

今回、美術品等は一部を除き100万円まで減価償却を可能ととする方向で検討がされており、平成27年1月1日以後に開始する事業年度から償却が可能となるようです。

具体的には法人税基本通達7-1-1が以下のように改正される予定となっています。

(美術品等についての減価償却資産の判定)
7- 1- 1「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しないこととされているが、次に掲げる美術品等は「時の経過によりその価値の減少しない資産」と取り扱う。
(1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2)(1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)

(注)1 時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。
2 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)は減価償却資産と取り扱う。

(経過的取扱い…改正通達の適用時期)
この法令解釈通達による改正後の取扱いは、平成27年1月1日以後に開始する事業年度において法人の有する美術品等について適用する。

なお、上記の中にあるように「ホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用」であってとしても、「ガラスケースに収納されている等、退色や傷が付かないように展示されているものについては、「時の経過によりその価値の減少することが明らかなもの」には該当しない」(T&A master No.568)とのことです。

上記の通達の改正は、平成27年1月1日以後に開始する事業年度より適用となる見込みであるため、「法人税や所得税の取扱いに適用対象資産が連動する、いわゆる償却資産税について、12月決算法人は来月に行う平成27年度の償却資産の申告から適用される」(税務通信3339号)ことになります。

一方で、3月決算の会社は、償却資産税の賦課期日が1月1日であるため、賦課期日後に上記改正の適用開始事業年度が開始するため、償却が可能となる美術品等について平成27年度の償却資産税の対象からははずれる見込みとのことです。

美術品等というと大袈裟ですが、あまり高くはないといっても応接室に飾られている絵が20万円以上のため固定資産台帳に載っているというケースはあるので、100万円までとはいえ償却が認められるようになるのはよいですね。

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