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損害賠償によりGC注記-KIホールディングス

T&A master No.580に平成26年9月期決算においてGC注記が付されたのは3社であったと紹介されていました。

その中の1社であるKIホールディングス(東証二部 電気機器)では損倍賠償を原因に継続企業の前提に関する注記が付されています。

同社の2014年9月期の有価証券報告書には以下の注記が記載されています。

(継続企業の前提に関する事項)
当社は、平成22年2月に国土交通省航空局より航空機シートの設計・製造過程に係る業務改善勧告を受け、運航中座席の安全性の確認作業、品質管理体制の再構築を優先的に取り組んできた結果、これらの諸施策への対応費用等により、前々連結会計年度では816百万円の当期純損失を計上いたしましたが、前連結会計年度では2,282百万円の当期純利益を計上し、当連結会計年度においても3,937百万円の当期純利益を計上いたしました。
しかしながら、訴訟係属中のThai Airways International Public Company Limited他からの賠償請求は継続しており、当連結会計年度末における損害賠償引当金は、依然として手元流動性に対して高水準の債務となっております。
当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が当連結会計年度末においても存在しております。
(以下省略)

2014年9月末の損倍賠償引当金の金額は1,596百万円となっていますが、2013年9月末時点では4,098百万円ですので、随分残高は小さくなっています。一方で現金預金の残高は2014年9月末で5,558百万円、2013年9月末は3,430百万円となっています。

確かに、2013年9月末は損害賠償引当金が手元流動性に対して高水準の債務という状態であったといえそうですが、2014年9月末では引当金残高1,596百万円に対して、現金預金の残高が5,558百万円となっており2期連続してある程度の利益を計上しているので、果たしてGC注記を継続する必要があるのだろうかという気はします。

さかのぼって調べてみると同社では、2011年3月期(2012年に3月から9月に決算期変更)からGC注記が記載されており、注記をはずすタイミングが難しいのかもしれませんが、「対応策は実施途上」でありながら20億から30億円の利益を計上できるのであれば、本当に注記が必要なのかは疑問が残ります。

損害賠償を原因としてGC注記をしている会社というのがめずらしいように感じたので、最近5年程度の他社の事例をしらべてみると、直近では東京電力が原子力損害賠償制度を原因としてGC注記をしていましたが、その他の事例は見当たりませんでした。

損害賠償とかリコールとかを原因としてGC注記を検討しなければならないケースには遭遇したくありませんが、そんな事例もあるということで、記憶の隅にとどめておくことにします。

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