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経団連の事業報告・計算書類のひな形改訂版が公表されました

4月10日に日本経済団体連合会から「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(改訂版)」が公表されていたという事実に経営財務の記事で気づきました。

なんといっても気になるのは適用時期ですが、適用時期については以下のようになっています。

1. 事業報告及びその附属明細書
2015(平成 27)年 5 月 1 日以後に事業年度の末日を迎える場合の事業年度に関する事業報告及びその附属明細書から適用する。

したがって、3月決算の場合、事業報告及びその附属明細書は従来のひな形が適用されるため影響はありません。

2. 株主総会参考書類
2015(平成 27)年 5 月 1 日以後に株主総会参考書類の記載事項を含めて会社法第 298 条第 1 項各号に掲げる事項が取締役会の決議によって決定(会社法第 298 条第 1 項・第 4 項、会社法施行規則第 63 条参照)された株主総会に係る株主総会参考書類から適用する。

会社法298条は株主総会の招集の決定についての条文で、第 1 項各号には例えば「株主総会の日時及び場所」、「株主総会の目的である事項があるときは、当該事項」などが含まれます。

3月決算会社の場合、株主総会の招集の決定は2015年5 月 1 日以後になると考えられますので、今回公表されたひな形の改訂を考慮する必要があるということになります。

3.計算書類及び連結計算書類
計算書類については、連結計算書類の非支配持分の表示などについて適用時期について述べられていますが、特段特殊な取扱はありませんので割愛します。

事業報告及びその附属明細書については、「4.会社役員に関する事項」で以下の項目が新設されるなどの改訂が行われています。
4-6.常勤で監査を行う者の選定の有無及びその理由
4-7.責任限定契約に関する事項
4-18.社外取締役を置くことが相当でない理由

上記の通り、3月決算の場合の適用時期は平成28年3月期からとなるため今回は詳細を割愛します。

次に、今決算から影響する「株主総会参考書類」の改訂内容ですが、主なものとしては以下のものがあります。

選任予定の役員と責任限定契約を締結予定の場合の記載
取締役または監査役の選任議案について「候補者と会社との間で責任限定の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときには、その契約の内容の概要」を記載することが必要とされています。
なお、再任により候補者がすでに会社との間で責任限定の契約を締結している者である場合の記載例として以下が示されています。

(注)○○氏は、現在、当社の社外取締役であり、当社は同氏との間で責任限度額を○円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額とする責任限定契約を締結しております。同氏の再任が承認された場合、当社は同氏との間の上記責任限定契約を継続する予定であります。

社外取締役を選任しない場合の記載

取締役が取締役選任議案を株主総会に提出する場合において、①当該株式会社が社外取締役を置いていない特定監査役会設置会社(当該株主総会の終結の時に社外取締役を置いていないこととなる見込みであるものを含む。)であって、かつ、②取締役に就任したとすれば社外取締役となる見込みである者を候補者とする取締役の選任議案を当該株主総会に提出しないときには、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を株主総会参考書類に記載しなければならない(会社法施行規則第74条の2第1項)。

上記に該当する場合には「社外取締役を置くことが相当でない理由」を記載する必要があります。なお、「「社外取締役を置くことが相当でない理由」については、当該株式会社のその時点(株主総会参考書類の作成時点)における事情に応じて記載しなければならず、社外監査役が2人以上あることのみをもって当該理由とすることはできない。」とされている点に注意が必要です。

会計監査人の選任理由

監査役(監査役会設置会社にあっては監査役会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会、指名委員会等設置会社にあっては監査委員会)が当該候補者を会計監査人の候補者とした理由を記載することが必要とされています。

上記の項目の他、監査等委員会設置会社のケースや社外要件の改訂に伴う部分についても記載上の注意が改訂されていますので、詳細は経団連の公表している新旧対照表でご確認ください。

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