定率法から定額法への減価償却方法の変更傾向は継続しているようです
2.ピクセラ(平成27年9月期)
(会計方針の変更)
当社及び国内連結子会社において、従来、取得価額が10万円以上20万円未満の少額減価償却資産は、有形固定 資産及び無形固定資産に計上し3年間で均等償却しておりましたが、事務処理等の効率化と財務体質の健全化を目的とし、当連結会計年度より支出時に全額費用として処理する方法に変更しております。
この変更による損益に与える影響は軽微であります。
上記のとおり、収益認識とは関係ありませんでした。
3.ジャパンインベストメントアドバイザー(平成27年12月期)
(会計方針の変更)
案件組成に係る費用の会計処理
当社及び連結子会社では、従来、営業費用に計上しておりました投資家紹介手数料及び案件組成に係る弁護士費用、並びに営業外費用に計上しておりました案件組成に係る金融費用については、売上との直接対応を明確にするために、当連結会計年度より売上原価に計上しております。
当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。
これも、費用項目の計上区分の変更であり、収益認識とは関係ありませんでした。
4.ラオックス
(仕入割引処理の変更)
当社は従来、商品の仕入代金現金決済時に受取る仕入代金の減額については、営業外収益の仕入割引として処理しておりましたが、当連結会計年度より、仕入控除項目として売上原価に含めて処理する方法に変更することといたしました。
この変更は、当連結会計年度より一部の取引先について契約内容の見直し等を行ったことにより、一部の取引先の割引においては売上原価の仕入割戻との区別が実質的になくなってきており、より適正に経営成績を表示するためのものであります。
これも認識タイミングというよりは、実質的に表示方法の変更に近いので、収益認識とはあまり関係ないものといえそうです。
以上からすると、収益及び費用の計上基準を変更が前年同期0件に対して4件というのは、それほど意味があることではないと考えられます。
さて、本題に戻って減価償却方法の変更の件数を比較すると前期15件に対して当期は14件とほど同水準の件数となっていますが、過年度において定率法から定額法への変更を完了している会社があり母集団が減少している中で同水準を維持しているので、定率法から定額法への変更の流行は継続しているといってよさそうです。
ただし、興味深いのは当期14件中定率法から定額法へ変更をした会社は13社で、残りの1社は定額法から定率法への変更を実施しています。なお、前期は15件全件、定率法から定額法への変更となっています。
定額法から定率法へ変更を行ったのは、エスケーエレクトロニクス社(平成27年9月期、JQ、あずさ)です。
(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)
(有形固定資産の減価償却方法の変更)
従来、頂正科技股?有限公司(連結子会社)の機械装置の減価償却方法は定額法によっておりましたが、当連結会計年度より定率法に変更いたしました。
当社グループの設備投資計画の見直しを契機として、技術革新による設備の経済的陳腐化の加速等を勘案する中で、定率法が当社グループの経済的実態をより適切に反映することができる費用配分方法であると判断いたしました。また、当社グループのグローバル展開の中で、海外拠点の重要性が高まり、グループ内の会計処理を定率法に統一する事がより合理的であると判断いたしました。
この結果、従来の方法に比べ、当連結会計年度の減価償却費が257,954千円増加し、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益は257,954千円減少しております
最近では見た記憶のない定額法から定率法への変更ですが、個人的には積極的に償却を行っていく方が好感を持てます。特に中国圏では今後の不透明感が強いので、そのリスクを織り込んで収益獲得能力を勘案すると、定率法で償却しておくという選択肢があってもよいように思います。
3月決算の集計結果が公表されたらまた、確認したいと思います。