閉じる
閉じる
閉じる
  1. 少額短期保険は生命保険料控除の対象外はなぜ?
  2. 研究開発費(試験研究費)税制における人件費の専ら要件
  3. 雇用調整助成金を独立掲記する場合の表示区分は何が主流?
  4. 東証1部上場会社の議決権行使書面の行使期限を巡る判決
  5. 短期前払費用の特例における継続要件の留意点
  6. 決算期変更で1年超の会計期間となった場合の対応
  7. 3月決算会社(2021年)の総会前有報提出は27社
  8. 東証一部上場会社の約3割がESG、SDGs等を有報で開示
  9. 株式交付(その3)-手続概要
  10. 電子データと紙の両方で受領した請求書等の保存の取り扱いはどうなる?
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

粉飾決算の事後処理にかかる費用はいくらくらい?

T&A masterのNo.654に”粉飾による課徴金巡り役員に賠償命じる”という記事が掲載されていました。

この記事で取り上げられていたのは、「有価証券報告書の虚偽記載等により課徴金を課されたクラウドゲート社が粉飾取引に関与した元取締役会長に対し、課徴金・第三者調査委員会に対する報酬・決算訂正に関する監査法人費用等の損害を被ったと主張して、会社法423条1項(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)等に基づき損害賠償を請求した事件」です。

結果的には、元取締役会長が一部敗訴となっています(東京地裁平成28年3月28日)。

こんな粉飾あったかなと同社のHPを確認してみると2011年12月に「第三者調査委員会報告書の受領に関するお知らせ」というリリースが開示されていました。

この第三者委員会の報告書において、11の取引に伴う会計処理は不適切又は適切性に疑問が残ると報告されたことをうけ、同社はこの11の取引の会計処理を訂正し過年度の有価証券報告書等の訂正報告を提出したとのことです。

この記事で興味深かったのは、損害賠償請求にあたり粉飾決算に関連して必要となった費用の金額が明らかにされていた点です。

まず、第三者調査委員会(弁護士2名、会計士1名)に対する報酬は約2,200万円とされています。当時の第三者委員会の報告書によると、調査対象は以下のとおりとなっています。
① 平成 18 年 12 月期~平成 22 年 12 月期 個別財務諸表
② 平成 19 年 12 月期~平成 20 年 12 月期 連結財務諸表
③ 平成 21 年 12 月期~平成 22 年 12 月期 四半期財務諸表

かつ、調査対象となった取引は「クラウドゲートの規模等に鑑み、取引高(売上高、仕入高、経費)が 10 百万円以上のものを抽出して、検証した。」とされています。また、委員会設置から報告書の提出までの期間は約2か月となっています。

当時の有報によると平成22年12月期の監査報酬が1,000万円なので、複数期にわたるとはいえ、率直な感想としては結構高いと感じます。この規模で約2,200万円かかったのだとすると東芝の第三者委員会はいくらくらいかかったのかも気になります。

次に決算訂正に関する監査法人費用が約3,700万円とされています。平成19年1月に札幌アンビシャスに上場し、平成20年12月に早々、会計監査人を新日本監査法人から聖橋監査法人(現:明治アーク監査法人)に変更しています。

さらに訂正の有価証券報告書の監査を行っているのは監査法人ハイビスカスとなっています。同監査法人が複数年分の監査をやり直した結果が約3,700万円ということのようです。

これだけで約6,000万円の費用がかかっていますが、同社の場合はさらに金融庁の課徴金納付命令により課徴金5,000万円の支払が生じていますので、結果的に1億1000万円程度の費用が発生したということになります。

同社の場合は、さらに上場廃止という処分が下されており金銭以外のダメージも大きいといえます(同社は現在も存続しているようですが)。

上場廃止になるほどでなくとも、第三者調査委員会等を設置して調査することとなると、少なくとも監査報酬1年分くらいの費用は覚悟する必要がありそうですので、そのような事態を招くことがないように注意しましょう。

関連記事

  1. KAMに関連して監査報告書の訂正が7件あったそうです

  2. 金融庁が申請不要で有価証券報告書等の提出期限を延長

  3. 資産除去債務の簡便法の注記は?

  4. MTGが中国の新EC法の影響により大幅に下方修正

  5. 監査報告書のXBRLタグ付けに要注意

  6. 25年3月期の見積の変更は76件(71社)

カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 11,498,718 アクセス
ページ上部へ戻る