1Q・3Qで「当社業績に関する一部報道について」をリリースしたモバイルファクトリーの情報管理体制って・・・
適時開示ネタが続きますが、本日(10月19日)、東証マザーズに上場しているモバイルファクトリーが「当社業績に関する一部報道について」という適時開示を行いました。
短いリリースなので本文を引用すると以下のように記載されています。
平成 28 年 10 月 19 日(水)付けの日本経済新聞におきまして、当社グループの平成 28 年 12 月期第3四半期の連結業績に関して、売上高が前年同期比 19%増の 15 億円弱、営業利益が同約2倍の4億 6,000 万円前後と報じられましたが、当社が発表したものではございません。
連結業績については、コンテンツサービス及びスマートノベルの売上高は減少も、位置情報連動型ゲームの売上高は「ステーションメモリーズ!」が堅調に推移したため、概ね報道された金額に近い業績を見込んでおりますが、現在精査中であります。
なお、平成 28 年 12 月期第3四半期の連結業績につきましては、平成 28 年 10 月 20 日(木)13 時に発表を予定しております。
(㈱モバイルファクトリー 2016年10月19日 「当社業績に関する一部報道について」より抜粋)
決算発表が明日であることからすると、数値もほぼ固まっている状態のはずで、会社が発表した数値でないものの、概ねその通りだということを認めた内容となっています。
このような報道がなされること自体はそれほど珍しいことではありませんが、同社の場合、今年4月にも「当社業績に関する一部報道について」という適時開示を行っています。
4月の開示内容は以下の通りです。
平成 28 年4月 16 日(土)付けの日本経済新聞におきまして、当社グループの平成 28 年 12 月期第1四半期の業績に関して、前年同期比 2.2 倍の1億 5,000 万円前後と報じられましたが、当社が発表したものではございません。
業績については、コンテンツサービス及びスマートノベルの売上高は減少も、位置情報連動型ゲームの売上高は「ステーションメモリーズ!」が堅調に推移したため、概ね報道された金額に近い業績を見込んでおりますが、現在精査中であります。
なお、平成 28 年 12 月期第1四半期の連結業績につきましては、平成 28 年4月 22 日(金)13 時に発表を予定しております。
(㈱モバイルファクトリー 2016年04月18日 「当社業績に関する一部報道について」より抜粋)
こちらは既に実績が開示されているので、4月22日に開示された決算短信を確認してみると営業利益、経常利益ともに151百万円となっており、ほぼ報道通りの数値となっていることがわかりました。
1Qも3Qも共通するのは、会社の業績が好調であるということで、いずれも日経新聞で報道されているということですが、気になるのは、会社が情報をわざと情報をリークしているのか、あるいは単に情報管理が甘いだけなのかという点です。
いずれにしてもインサイダー取引が問題となってもおかしくありませんので、取引所も何らかの対応が必要となるのかもしれません。Yahoo!ファイナンスで午前中の株価の推移をみると以下のように、取引開始直後の株価は大きく上昇しているのが確認できます。
(出典:ヤフーファイナンス)
インサイダー取引で捕まる人がでなければよいですが、この他、同社が仮に1部への指定替えを検討する場合には、この辺の情報管理体制が厳しく審査されることになるのかもしれません。