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平成29年3月期決算のポイント-税務

会計監査ジャーナル2017年3月号で平成29年3月期決算の実務ポイント税務編で、取り上げられていた項目を確認してみました。この記事で取り上げられていたのは以下のとおりです。いずれも概要が簡単に述べられている程度となっています。

  1. 法人税率の引き下げ
  2. 地方法税率の改正
  3. 欠損金の繰越控除
  4. 減価償却方法の一部見直し
  5. 租税得月措置法関連

上記に加えて、補足として平成29年度税制改正大綱の一部の項目も取り上げられていました。

1.法人税率の引き下げ

法人税率も段階的に引き下げられることとなっているので、決算期の異なる会社にいくつか関与していると、適用されるのは法人税率は何%だったかなと不安になってしまいますが、3月決算会社で平成28年度に適用される税率は23.4%(中小法人以外の普通法人の場合)となっています。

中小法人以外の普通法人に適用される年度別の法人税率は以下のとおりです。
平成27年度 23.9%
平成28年度 23.4%
平成29年度 23.4%
平成30年度以降 23.2%

2.地方法人税率の改正

地方法人税率も改正されることに変わりはありませんが、適用時期が消費税増税時期が延期されたことに伴い、平成31年10月1日以後開始事業年度からの適用とされました。税率の変更は以下のとおりです。

地方法人税率 4.4%→10.3%
法人住民税の税率改正
・道府県民税(標準税率) 3.2%→1.0%
・市町村民税(標準税率) 9.7%→6.0%

3.欠損金の繰越控除

欠損金の繰越控除については、法人税率の前倒し引き下げに伴う、課税ベースの拡大政策により、以下のように改正されています。

事業年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度
控除限度割合65/10060/10055/10050/10
控除期間9年9年
9年10年

上記の事業年度は、各年度の4月1日以後開始する事業年度を意味します。
変更点は、平成28年度、平成29年度の控除限度割合がそれぞれ65/100→60/100、50/100→55/100に変更されています。また平成29年度の控除期間が10年→9年に変更されています。

4.減価償却方法の一部見直し

会計でもとりあげられていたものですが、平成28年4月1日以降に取得する建物附属設備及び構築物に関する減価償却方法が定額法に一本化されました。それほど問題となることはないと思いますが、平成28年4月1日より前に取得した建物附属設備等に平成28年4月1日以降に資本的支出があった場合の取扱いは確認しておく必要があります。

資本的支出の対象となった資産が平成19年4月1日より前に取得したものの場合、特例として元の減価償却方法と同じ方法(旧定額法、旧定率法)を採用することができますが、平成19年4月1日以降に取得した資産の場合は、定額法しか認められません。

5.租税特別措置法関連

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用対象範囲が変更となっています。これは、中小企業者等が取得価額が30万円未満の減価償却資産について、取得価額の合計額が300万円を超えない場合は、全額を損金算入できるというものですが、中小企業者等のうち常時使用する従業員の数が1000人以下の法人に限定されました。

生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度が平成29年3月31日の適用期限到来をもって廃止することとなりました。

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