IFRS任意適用会社が144社に-経営財務調べ
経営財務3310号において、2017年5月15日現在で同誌の調査結果によればIFRSを任意適用(または適用を表明)した会社が144社になったとの記事がが掲載されていました(東証のHPでも5月15日現在で合計144社となっています)。
300社にはまだまだですが、感覚的には150社に近くなると随分多くなったという感じがします。
ただし、144社のうち46社は2017年3月期およびそれ以降にIFRSを任意適用する会社となっています。内訳は2017年3月期から適用が22社、それ以降が24社となっています。ちなみに、約1年前の同誌の集計(経営財務3260号)ではIFRSの任意適用会社(予定を含む)は111社となっていますので、予定を含むベースでの増加は1年間で約30社となっています。
任意適用の事例も増加してきていることもあり、ややペースアップしている感じはするものの、著しく増加しているという感じではありません。
また、上記経営財務の記事で気づきましたが、当初2016年8月期通期からIFRSの任意適用を予定してたメタップス(マザーズ)は、IFRS導入に伴う影響が想定以上に広範囲に及ぶことが判明したことから適用時期を再検討し、2017年8月期第1四半期からの適用としたとのことです。
この他、Jトラスト(東二)では、二度に渡って適用時期を変更しており、IFRSの任意適用にあたっては当初の想定を上回り、時間がかかるということも考慮しておかなければならないようです。日本基準ですら完璧に理解しているかといわれれば自信ははないので、IFRSではなおさら、後から後から新たな論点が明るみにでるということも、ある意味当然かもしれません。経営財務の記事でも記載されていたとおり、IFRSの任意適用を考えるのであれば、無理せず余裕をもってスケジューリングことが必要なようです。。
一方で、夢展望株式会社(マザーズ)は平成30年第1四半期からIFRSを任意適用することを5月16日に公表しており、IFRSの任意適用にかかる費用が15百万円~20百万円程度とそれほどコストはかからないという趣旨と窺える旨を公表しています。
会社の規模や業種によっても任意適用にかかるコストは変化すると思いますが、一般的にはコストも余裕をもって見積もっておいた方がよいと思われます。