ビットコインの利益は「雑所得」-国税庁タックスアンサー
税務通信3474号の税務の動向に”ビットコインの利益は「雑所得」に該当”という記事が掲載されていました。国税庁のタックスアンサーにNo.1524「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」が追加されたことを受けたものです。
ほんの数行のものですが、以下のように記載されています。
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
仮想通貨も当初は物扱いで消費税の課税対象となるとされていので、譲渡所得もあり得るかというところでしたが、この点については上記記事において「“譲渡所得に該当する余地もあるのでは”、とみる向きもあったようだが、原則は雑所得に当たると判断した。」とされています。
上記のタックスアンサーの記載は「ビットコインを使用することで生じた利益」と、なんとなく不思議な記載となっていますが、これが意味するところは「売買によりビットコインを日本円等に換金した場合だけでなく、ビットコインで資産を購入(交換)、別の仮想通貨とのトレード、ビットコインの採掘、それぞれが該当」し、「いずれも値上がり益等に課税される。」ということを意味しているとのことです。
事業所得に該当するケースもあるという前提になっていますが、具体例として上記税務通信の記事では「“事業として継続的にビットコインの取引を繰り返す”、“事業者が事業用資産をビットコインで購入”、“採掘でビットコインを取得”(ビットコインの採掘で利益を得るには,現状では,相当の資本を投下しコンピュータや電力を使うことなどから事業に当たることが考えられるという)」などが例としてあげられています。
税務当局が捕捉できるのかはよくわかりませんが、投機目的で結構な利益をあげている方もいるようなので、課税対象とは知りませんでしたというようなことがないように注意が必要です。なお、総合課税の雑所得に区分されるため、ビットコイン同士の損益や公的年金等といった同じ総合課税の雑所得内での内部通算は可能ですが、申告分離課税となるFX(外国為替証拠金取引)や株式等との損益通算はできないという点も注意が必要です。