閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

MTGが中国の新EC法の影響により大幅に下方修正

先週の金曜日(2019年3月29日)に2018年7月に東証マザーズに上場した(株)MTGが以下のように利益を大幅に引き下げる業績予想の修正を公表しました。

そもそもMTGが何をやっている会社かですが、TVCMでもよく見かけるSIXPADの販売などを行っている会社です。

当初の予想連結営業利益98億円を10億に修正するという、大きな下方修正となっており、上場直後にやらかしてしまった感が漂っていますが、原因としては、主に中国の新EC法(中国電子商取引法)の影響を受け「ReFa」のインバウンド計画比155億円減少となったことによるものと説明されています。「ReFa」については正直あまりよくわかりませんが、美容ローラーとされ、画像をみると見たことがあるような器具です。

新EC法の施行によってインバウンド売上が減少しているという説明は理解できますが、気になるのは人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の向松祚氏が、昨年12月の講演で2018年の中国GDP成長率はわずか1.67%だったという発言をしたと伝えられており、新EC法の影響だけではないのかもしれないという点です。

仮に景気の影響であったとしても美容機器はそれなりに売れそうな気はするものの、中国の景気をみる上ではこの会社の業績も参考になるのではないかと思います。

ところで、このような下方修正が生じる可能性について、事業等のリスクではどのように開示されていたのかを確認してみると、インバウンド売上については以下の様な記載がなされていました(2018年9月期有価証券報告書)

③インバウンドへの依存リスク
当社グループは、特に中国によるインバウンド需要の影響を多く受けております。このため、特定の国からのインバウンド需要に依存しない体制を構築するため、米国や欧州の展開を始めております。また、取締役会等の意思決定機関においてインバウンド動向を共有並びに議論することでリスクの低減を図っております。しかしながら、予測し得ない現地の経済情勢の変化、政策等の変化、日本との関係性悪化等の影響による需要の低迷が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

新EC法の施行は、まさに政策等の変化によるものであり、経営成績等に悪影響があっても、書いてあるとおりなので、会社としてはちゃんと書いてあるでしょという感じかもしれません。

事業等のリスクの記載については、2019年1月の内閣府令の改正によって、2020年の3月期より当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容、当該リスクへの対応策などの記載が求められることとなっています(2019年3月期より早期適用可)。

この点においても同社がどのような記載をするのか注目です(といっても同社は9月決算なので、原則適用は2020年9月期と随分先ですが・・・)。

関連記事

  1. 意見不表明は極めて例外的な状況のみに許容される

  2. 税務調査による更正が「誤謬」か否かの境界は何?

  3. フェア・ディスクロージャー・ルールのポイントを確認(その2)

  4. プライム市場上場会社の英文開示実施率が92.1%に上昇

  5. 近年の不正の類型-T&A master調査結果

  6. SMCの「北米疑惑」?




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,853,951 アクセス
ページ上部へ戻る