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税務当局、重加算賦課姿勢に変化?

T&A master No.807のニュース特集に「課税当局の重加賦課姿勢に変化」という記事が掲載されていました。

この記事によると、”決算書等の虚偽記載において事務運営指針に例示されている仮装又は隠蔽の事実(行為)や「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」の認定に至らない場合でも、過去の裁決例に基づく重加算税賦課を視野に入れているもようだ”とされています。

事務運営指針で「隠蔽又は仮装に該当する場合」に該当する事実として、事務運営指針第1・1(1)~(8)では以下が示されています。

⑴ いわゆる二重帳簿を作成していること。
⑵ ⑴以外の場合で、次に掲げる事実(以下「帳簿書類の隠匿、虚偽記載等」という。)があること。
① 帳簿、決算書類、契約書、請求書、領収書その他取引に関する書類(以下「帳簿書類」という。)を、破棄又は隠匿していること。
② 帳簿書類の改ざん、偽造、変造若しくは虚偽記載、相手方との通謀による虚偽若しくは架空の契約書、請求書、領収書その他取引に関する書類の作成又は帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装を行っていること。
③ 取引先に虚偽の帳簿書類を作成させる等していること。
⑶ 事業の経営、売買、賃貸借、消費貸借、資産の譲渡又はその他の取引(以下「事業の経営又は取引等」という。)について、本人以外の名義又は架空名義で行っていること。
ただし、次の①又は②の場合を除くものとする。
① 配偶者、その他同居親族の名義により事業の経営又は取引等を行っているが、当該名義人が実際の住所地等において申告等をしているなど、税のほ脱を目的としていないことが明らかな場合
② 本人以外の名義(配偶者、その他同居親族の名義を除く。)で事業の経営又は取引等を行っていることについて正当な事由がある場合⑷ 所得の源泉となる資産(株式、不動産等)を本人以外の名義又は架空名義により所有していること。
ただし、⑶の①又は②の場合を除くものとする。
⑸ 秘匿した売上代金等をもって本人以外の名義又は架空名義の預貯金その他の資産を取得していること。
⑹ 居住用財産の買換えその他各種の課税の特例の適用を受けるため、所得控除若しくは税額控除を過大にするため、又は変動・臨時所得の調整課税の利益を受けるため、虚偽の証明書その他の書類を自ら作成し、又は他人をして作成させていること。
⑺ 源泉徴収票、支払調書等(以下「源泉徴収票等」という。)の記載事項を改ざんし、若しくは架空の源泉徴収票等を作成し、又は他人をして源泉徴収票等に虚偽の記載をさせ、若しくは源泉徴収票等を提出させていないこと。
⑻ 調査等の際の具体的事実についての質問に対し、虚偽の答弁等を行い、又は相手先をして虚偽の答弁等を行わせていること及びその他の事実関係を総合的に判断して、申告時における隠蔽又は仮装が合理的に推認できること。

基本的には積極的に隠蔽または仮装する行為が該当することになりますが、上記(8)は申告前の積極的行為を前提としておらず、「納税者の申告前の隠蔽又は仮装の行為が直接認定できない場合でも、重加算税の賦課要件を満たすケースがあることを意味している」とされています。

課税当局は「意図的な過少申告」に加えて一定の要素が加わった場合に重加賦課の対象となるととらえており、それを示すものとして最高裁平成7年4月28日判決を取り上げているとのことです。

この判決は、「重加算税を課するためには、過少申告行為そのものが隠蔽、仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に隠蔽・仮装と評価すべき行為の存在することを要するが、重加算税制度の趣旨に鑑みれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要ではなく、納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件を満たすと判示したことで知られる」ものとされています。

過少申告意図を外部からもうかがい得る特段の行動といういうのが、重加賦課にプラスで必要とされる要素ということになります。

ここまでだと、あまり変化はないように感じますが、上記の記事によると、課税当局は、「特段の行動」があったとして重加算税賦課が肯定された事例として平成28年9月30日裁決を周知しているとのことです。

この事案では、「請求人が、消費税等の負担を免れるため、長期にわたり農産物等の販売金額を過少に記載した下書用の収支内訳書を作成し、これを市の申告相談で市職員に提示することにより、同職員をして販売金額を過少に記載した収支内訳書及び確定申告書を作成させ続けていた」ことが特段の行動と認定されたとのことです。

課税当局は、設問を示し、この設問については、現時点では重加算税の賦課要件を充足しているとはいえないという判断にならざるを得ないとしつつも、過去の裁決例では、「①正当な収入金額を把握していながら、②過少申告をする意図の下、③収入金額等について独自の計算により恣意的に操作して過少な所得金額を算出し、内容虚偽の決算書等を作成した場合は重加算税の賦課が肯定された事案もあることから重加算税の賦課を検討するとしている」とのことです。

つまり、従来であれば課税当局が重加算税を賦課するというチャレンジをしてこなかったというようなケースであっても、今後は重加算税を賦課してくることが生じうるということです。とはいうものの、普通にやっていればそもそもあまり気にする必要がある話ではないと思われます。

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