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フリーランス等に支払う立替経費には源泉徴収が必要というけれど・・・

以前も取り上げたことがある話ですが、税務通信3603号の税務の動向に「フリーランス等に支払う旅費・交通費には源泉徴収が必要」という記事が掲載されていました。

この記事では、「フリーランスとして働く人の増加による影響からか、本来源泉徴収が必要な旅費・交通費等であるにもかかわらず、源泉徴収漏れとなっているケースが少なくないといという」とされています。

増加しているとはいえ「フリーランス」というと、まだ関係ないという会社も多いかもしれませんが、個人事業主として事業を行っている弁護士や税理士などに支払う旅費・交通費等は、報酬・料金に含めて10.21%で源泉徴収を行うことが原則とされています。

ただし、会社が、交通機関やホテル等に直接支払う旅費・交通費等については源泉徴収が不要となるとされています。

所得税基本通達204-2(報酬、料金等の性質を有するもの)では、以下のように記載されています。

法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、同項の規定が適用されることに留意する。

上記では「報酬、料金又は契約金の性質を有するもの」については、「車賃」等の名義で支払うものであっても「報酬、料金」に含めなければならいというように読めますので、実費精算されている交通費等はそもそも「報酬、料金又は契約金の性質を有するもの」ではないので「報酬、料金」に含めなくてもよいと考えてしまいます。どちらかといえば、このように考えるのが一般的な感覚ともマッチしているように思います。

しかしながら、所得税基本通達204-4(報酬又は料金の支払者が負担する旅費)では以下のように記載されています。

204-4 法第204条第1項第1号、第2号、第4号及び第5号に掲げる報酬又は料金の支払をする者が、これらの号に掲げる報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供する者の当該役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用も負担する場合において、その費用として支出する金銭等が、当該役務を提供する者(同項第5号に規定する事業を営む個人を含む。)に対して交付されるものでなく、当該報酬又は料金の支払をする者から交通機関、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、当該金銭等については、204-2及び204-3にかかわらず、源泉徴収をしなくて差し支えない。

上記より、前述のとおり、フリーランスとして働く人等が支払った料金・交通費等に係る領収書を会社に提示して精算する場合などは、報酬・料金に含めて源泉徴収するのが原則となり、例外として、会社が交通機関等に直接支払う場合は源泉徴収が不要となるということとなります。

会社が直接交通機関等に支払う場合は、そもそも立替ではないからそれはそうだよねと考えていましたが、この取扱いの趣旨は税務通信の記事によれば、「会社側が、直接支払う場合、役務提供者(セミナーの講師等)側でその金額を把握できず、事業所得等の計算が困難であることから、いわば特例的に源泉徴収が不要となっている」とのことです。

とはいえ、個人的な感覚としては、税理士さん(個人事業主)などからの請求書では、立替経費分を除外して源泉税の金額が計算されて記載されていることが多いように感じます。

税務通信の記事では、「実際の税務調査の現場においては、金額の多寡や支払回数等により、問題視されない実態もあろう」とされ、記事等でたまに見かける内容でありつつも、特段実務に大きな変化が生じているような感じはしないので、実際上問題となるケースは少ないのかもしれません。しかしながら、それでも紹介され続けられており、痛い目にあっている会社もあるということだと思いますので、フリーランス等の取引により立替精算している金額が大きい会社では注意しておきましょう。

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