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日本公認会計士協会が「令和3年度税制改正意見・要望書」を公表

2020年6月18日に日本公認会計士協会は「令和3年度税制改正意見・要望書」を公表しました。

政策的要望と個別的要望とがあり、個別的要望は以下の10項目から構成されています。

  1. 法人税について
  2. 所得税について
  3. 法人税・所得税共通事項について
  4. 相続税・贈与税について
  5. 事業承継税制について
  6. 取引相場のない株式等の評価について
  7. 国際租税について
  8. 消費税について
  9. 地方税について
  10. 納税環境整備等について

上記の10項目がさらに具体的な内容に区分されていますが、今年度から新たに要望として記載されはじめた項目はそれほど多くなく、前年の要望事項が繰り越されているものが大部分となっています。新たに追加されたものについては「令和3年度税制改正意見・要望書」の目次をみると細分化された目次の項目に「(☆)」がついているので一目でわかりますが、法人税1項目、相続税・贈与税1項目、事業承継税制8項目、国際租税4項目と、事業承継税制と国際租税が中心となっています。

法人税でどのような要望があがっているのかだけ確認しておくと以下の様な項目となっています。

  1. 減価償却方法の選択適用を維持すること
  2. 賞与引当金及び退職給付引当金の損金算入を税務上も認めること
  3. 貸倒引当金を税務上も認めること
  4. 工事契約について工事損失引当金の損金算入を税務上も認めること
  5. 固定資産の減損に係る減損損失については、法人税法上も損金算入を認めること
  6. 償還有価証券の償却原価法については、企業会計に合わせて利息法も法人税法で認めるとともに、定額法についても企業会計の定額法を認めること
  7. 法人事業税については、今後も法人税法上の損金とし、かつ、その発生事業年度の損金とすること
  8. 資産除去債務に係る減価償却費を損金算入とすること
  9. 業績連動給与の拡充及び定期同額給与の改定要件を見直すこと
  10. 受取配当金を全額益金不算入とすること
  11. 繰延消費税の全額即時償却を認めること
  12. 所得税額控除の元本所有期間の制限を廃止すること
  13. 繰越控除については繰越控除限度額を撤廃した上で繰越欠損金の控除期間を無制限とし、また、欠損金の繰戻し制度を全面的に復活させ、繰戻し期間を3年程度に延長すること
  14. 特定同族会社の留保金課税制度を全廃すること
  15. 組織再編税制及び連結納税制度における租税回避行為の規制範囲については個別具体的に規定し、包括的租税回避行為防止規定を廃止すること
  16. グループ通算制度の特定欠損金の範囲を見直すこと

税側が譲歩することがあるのかは別として、タイトルからのみで要望の内容が理解できそうな項目が多いですが、今年度追加された「グループ通算制度の特定欠損金の範囲を見直すこと」について主要な部分を確認しておくと以下の様になっています。

要望の結論としては、「従来の連結納税制度における連結親法人の開始前繰越欠損金に相当する金額を通算グループ内で使用できるようにすることを検討されたい。」というものです。

問題視されているのは、「新たに単体納税からグループ通算制度を開始する場合に、親法人のグループ通算制度の適用開始前欠損金は、子法人と同様、特定欠損金として自己の所得の範囲内でのみ控除できるものとされ、連結納税制度下で非特定連結欠損金として取り扱われてきた連結親法人の開始前繰越欠損金に相当する欠損金が、通算グループ内で控除可能な欠損金として利用することができなくなった」ことで、「連結納税制度導入時の理念であった我が国の企業の国際競争力の維持強化や経済の構造改革に資するといった考え方を堅持するため」にも上記のような結論(要望)となっています。

グループ通算制度が導入されるのは2022年4月1日以降開始事業年度からですので、導入開始前に見直されるという可能性はなくはありません。

ちなみに法人税について、前年度に要望事項としてあがっていたもので、今年度なくなっているものに「試験研究費の税額の繰越控除制度を復活し拡充すること」というものがありました。

試験研究費ついては、T&A master No.838「コロナ禍における研究開発税制の論点」において、企業業績が悪化している会社も多く控除上限に抵触する企業が増加する可能性があるとし、「一部では繰越控除復活への期待も高まっている」とされています。さらに、「業績の悪化が長期化すると見込む企業からは、そもそも控除すべき法人税額が発生しないため、研究開発税制の拡充よりも欠損金の繰越控除制度の拡充(例えば繰越期間の延長)の方が有用との声もある」とされています。

そして、上記の記事では、リーマンショック時の経済危機対策として時限的に控除上限が引き上げられたという事例もあるため、そのような控除率引き上げの可能性にふれつつも、財源の問題があるため一筋縄ではいかなそうだという旨が述べられています。

さらに、「パッケージソフトからクラウドへ、ビジネスモデルの変化に税制が追いつかず」として「販売目的ソフト」と「自社利用ソフト」で研究開発費部分の取扱いが異なっている点を取り上げ、「コロナ禍は日本のデジタル化の遅れを露呈させたが、自社利用ソフトに係る研究開発費の損金算入が認められない現状を放置したままでは、日本は益々他国に遅れをとるのではないかとの懸念も浮上している」としています。

税務上の取扱いのみならず、会計上の取扱いについてもパッケージソフトとクラウドでは必ずしも取扱いが明確とはいえない状況にあると思いますので、会計も含めそろそろ整理し直してもらいたいと個人的にも思います(会計士協会の要望には入っていないわけですが・・・)。

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