閉じる
閉じる
閉じる
  1. 株主総会開催地の定款の定めは削除するのが賢明
  2. グループ通算制度の概要(その3)ー時価評価
  3. 社外取締役の在り方に関する実務指針ー社外取締役の5つの心得とは?
  4. 上場会社当における会計不正ー5年で167件は氷山の一角?
  5. グループ通算制度の概要(その2)ーみなし事業年度
  6. コロナ禍で役員給与長期未払も即、定期同額給与否定とはならず
  7. 2022年10月1日から5人以上の士業事務所も厚生年金の強制加入対象に…
  8. 会計監査人の異動は過去5年で最多の142件に-令和2年モニタリングレポ…
  9. コロナ関連のGC注記を5社が記載(経営財務誌調べ)
  10. グループ通算制度の概要(その1)-概要
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

永年勤続表彰者に対する旅行券の支給は課税所得なる/ならない?

永年勤続表彰制度等により、一定期間勤続した従業員を表彰し、記念品等を贈呈することとしている会社は中小企業でもそれなりにあります。

このように永年にわたって勤務している人の表彰に当たって支給する記念品や旅行や観劇への招待費用は、以下の要件をすべて満たしていれば給与として課税しなくてもよいこととされています(所基通36-21)。

  1. 当該利益の額が、当該役員又は使用人の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること。
  2. 当該表彰が、おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。

ただし、記念品の支給や旅行や観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券などを支給する場合には、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。また、本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税されます(タックスアンサーNo.2591 「創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき」)。

基本的に招待費用を会社が負担して招待するのであれば、社会通念上相当な範囲であれば課税所得として取り扱われないのに対し、商品券などを支給した場合には、その価額が給与として課税されるものとされています。

商品券などについても、給与課税として取り扱われることとされていますが、換金性の高さを考えると特に違和感はありません。

ここで混乱するのは旅行券の取扱いです。個人的には旅行券も商品券も同じようなものと感じるので、「商品券など」の「など」には旅行券も当然に含まれるだろうと考えてしまいますが、旅行券を支給する場合の取扱いは異なった取扱いとなります。

これは何故なのだろうと確認してみたところ、一定の要件を満たして支給される旅行券は非課税として取り扱って差し支えないとした個別通達が存在するためでした(昭60直法6-4)。

これについては、タックスアンサーに「Q 永年勤続者に対する旅行券の支給」のQ&Aとして掲載されています。


当社では勤続20年に達した使用人に対し、一人当たり10万円の旅行券を支給しています。永年勤続者の表彰に当たり旅行に招待する場合には課税の対象とされないそうですが、旅行券を支給した場合も同様に取り扱ってよいでしょうか。


一般的に、旅行券は有効期限もなく、換金性もあり、実質的に金銭を支給したことと同様になりますので、原則として給与等として課税されます。
 ただし、次の要件を満たしている場合には、課税しなくて差し支えありません。
(1) 旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。
(2) 旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)であること。
(3) 旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して貴社に提出すること。
(4) 旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は貴社に返還すること。

要は、支給後1年以内に旅行に行ったことがきちんと確認できて、余った分があれば返還していれば給与課税として取り扱われないということだといえます。

個人的に理解に苦しむのは「旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)であること」という要件です。これは文字通り解釈すれば、支給された旅行券に近い旅行でなければならないということだと読めますが、一方で、余った分は返還するという要件があることも踏まえると、これは反対に自費負担を多くして豪勢な旅行の一部に使うようなことを規制しているということではないかと考えられます。

福利厚生的な性格を勘案し、社会通念上相当と認められる旅行費用を例外的に非課税として取り扱うとしているなかで、一定額の旅行券を支給する場合、使用者は券面額程度の旅行を想定していると考えられるので、支給された旅行券に高額な自己負担をプラスして行く旅行は当初の趣旨を逸脱するから非課税としては取り扱わないということなのだと考えられます。

趣旨を重んじろということであるとすると、旅行代金として現金を支給した場合も、実際に旅行に行ったことが確認できれば非課税として取り扱われてもよさそうな気はします。現実問題としては旅行券相当額を現金で支給していたら、税務調査で課税所得だといわれることとなりそうなので、おとなしく旅行券にしておいたほうがよいとは思いますが、仮に現金で支給していてひかかった場合には、「旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)であること」の趣旨でごねるという手はあるかもしれません。

関連記事

  1. 扶養控除等申告書におけるマイナンバーの取扱い(その4)-税法で定…

  2. 「学資金」の非課税範囲の拡大とは?-平成28年税制改正

  3. サイト中傷記事削除費用は家事関連費?

  4. 配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額等の改正(平成30年分より)…

  5. ハズレ馬券訴訟が各地で起こっているらしい

  6. 法人契約の損害保険から受け取った保険金を従業員へ支払った場合の課…

カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 10,024,309 アクセス
ページ上部へ戻る