あずさ監査法人でCPE取得に際し不正が判明したそうです
2020年9月7日にあずさ監査法人は、会計士45人がオンラインのCPE研修を不正に受講していた疑いがある旨を公表しました。
デジタルの記事によれば、「二つの講座に同時にログインして受講したと偽り、単位認定を受けた可能性がある。」とのことのことです。内部告発で発覚したそうで、「20代~40代の45人が1台の端末を使って二つのオンライン講義を同時に受講した可能性があることがわかった。」とされています。
「システムに二重ログインができるようになった2014年から、不正受講を繰り返していた会計士もいるという。あずさは今年5月にシステムを改修し、現在は同時にアクセスできない仕組みに変えた。」とされていることから、上記は監査法人が独自に提供しているオンライン研修での不正であったようです。
コンプライアンスとかIT統制だとかいっている割に、なんだかなという感じがしますが、不正を働いた会計士にはパートナーも含まれているとのことですので、「システムに二重ログインができるようになった」というのは、あえてそうしたのかと疑いたくもなります。
個人的に、不思議なのは、情報管理にシビアな監査法人において、アクセスログなどは監視されていると考えるのが自然だと思いますが、上記のような不正を行っていたとされる会計士はそのように考えなかったのだろうかという点です。職業的な倫理を置いておくとしても、監査人として必要な何かが足りない気がします。
「あずさは会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討中」とされていますが、会計士協会や監督官庁がどのような処分を下すのか注目です。現在改修済みとされているものの、そのような不正を許すシステムで運用していたといことを踏まえれば、1年間くらい法人内の研修をCPE認定しないというような処分くらいあってもよさそうに感じます。
ほとんどの所属会計士はきちんとやっていたでしょうから、監査法人全体として色々対応にあたらなけばならないであろうことを考慮すると気の毒でもありますが、会計士的な発想でいえば統制環境に不備があった以上、法人として責任を問われるのはやむを得ない面もあるといえそうです。