2020年経営財務誌が選ぶ5大ニュースとは?
経営財務3487号に、この時期恒例となっている同誌が選ぶ2020年の5大ニュースが掲載されていました。
今年の5大ニュースは以下の5つとなっています。
- コロナが決算・監査に影響
- KAM早期適用はじまる
- 収益認識基準が適用間近
- 新市場区分移行へ制度改正進む
- サステナビリティ報告充実への機運高まる
ちなみに同誌が選出した2019年の5大ニュースは以下のとおりでした。
- KAM Q&A集などの整備進む~財務諸表作成者側でも独自の取組み
- 記述情報の開示充実へ~有報の開示を工夫する会社も
- 会社法改正で総会資料を電子提供へ~スケジュール含めた見直しが必要か
- 収益認識会計基準の改正案公表~注記や表示の定めを新設
- RPAやAI活用の動き~働き方の変化に注目
2020年は新型コロナウイルスが会社の業績のみならず、決算実務や監査実務にも大きな影響を与えており、突然このような状況となったというインパクトも考慮するとダントツの1位といったところでしょうか。海外ではワクチンが承認されはじめているものの、日本国内では2021年も相当の期間は同様の傾向が継続することが予想されますので、まさにwithコロナの決算・監査を模索し続けるという必要があるように感じます。
KAMと収益認識については、前期から予定されていた内容であり、原則適用開始が近づいていることから昨年に引き続きランクインしていますが、これは多くの人が気にしている事項だと思われます。
新市場区分移行への制度改革については、プライム市場での社外取締役1/3以上の要請などが話題となっていますが、日経新聞では「社外取締役1000人不足 統治指針改定で」などとされており、本当に実現するのか気になるところです。仮に実現したとし、人材が不足しているとすると、他の上場会社の役員に社外取締役就任を依頼するというようなことが増えるのかもしれません。
第5位に選出されている「サステナビリティ報告充実への機運高まる」というのは、今年9月にIFRS財団が「サステナビリティ報告に関する協議ペーパー」を公表し、財団の下にサステナビリティ基準審議会を設置することを提案し、これによりこれまで乱立していた国際的な開示の枠組みを標準化し、報告基準を策定することが掲げられました。
ESGやSDGsに対する関心が高まっており、投資家もそのような観点での評価を重視するようになっていると言われているところ、欧州企業に対して日本企業は遅れているという位置付けのようですので、今後、投資家対策としてもそのような対応に注力していることがより求められることとなると考えられます。
2021年は東京オリンピックが本当に開催されるのかどうかによっても3月決算会社の1Q決算も影響があるのかなという点も気になりますが、果たして来年の今頃どのような5大ニュースがピックアップされているのでしょうか。
2020年も残りわずかですが、あと少し頑張りましょう。