オンライン飲み会と福利厚生費
税務上の取扱いとしては特段驚くような結論となっているわけではありませんが、社内行事をオンラインで行うというケースも比較的よく耳にするようになっていますし、時期的に忘年会シーズンなので今回はこれを取上げてみました。
この点については、税務通信3633号の税務の動向で取上げられており、結論としては、「いわゆる”オンライン飲み会”でかかった飲食代を会社が負担したとしても、従業員から領収書等の提出があれば福利厚生費として給与課税されない」となっています。
従業員等のために開催されるレクリエーション費用を会社が負担する場合、従業員等が受ける経済的利益は給与等として源泉徴収するのではなく、福利厚生費として処理できる(所基通36-30)とされ、これらレクリエーションは、社会通念上一般的に行われていると認められれば開催場所を問わないため、オンライン開催でも問題ないとされています。
コロナ前であれば、オンライン飲み会の費用を会社が福利厚生費として処理していたとしたら「社会通念上一般的に行われている」ものとして認められただろうかというのは定かではありませんが、現在においては一般的に行われているものといって間違いなさそうです。
福利個性費として認められるためには、もちろん金額が社会通念上一般的な金額の範囲内に抑えられていることが求められるとされ、従業員が各自で食べ物・飲み物を用意する場合には、後日、各従業員にその領収書を提出してもらうことが必要とされています。
最近では会社が主催するオンライン飲み会のために、参加者に事前に飲食料品を届けるようなサービスも登場していますが、この場合であっても社会通念上一般的な範囲内であれば福利厚生費として処理することができるとのことです。
なお、「当然のことながら、実費精算ではなく、レクリエーションに必要な費用として一定の金銭を従業員に支給してしまうと、給与課税される」とされており、この点も理解はされていると思いますが、面倒なので一律○○円支給というようなことはやってしまいがちなので注意しましょう。