バーチャルオンリー型株主総会のための定款変更議案上程が5社
バーチャルオンリー型株主総会の開催を可能とする法改正が行われるということでしたが、これについては2021年5月20日に「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が衆議院で可決され、今後参議院で審議されることとなっています。
未だ未成立ではありますが、経営財務誌が調査した結果によると、2021年5月19日時点で、バーチャルオンリー型株主総会の開催を可能とする定款変更を6月の定時株主総会に付議することを取締役会で決議した会社が5社あったとのことです(経営財務3507号 「バーチャルオンリー総会開催に向け、定款変更を決議」)。
その5社とは以下の5社です。
・武田薬品工業
・アイ・アールジャパンホールディングス
・三井住友フィナンシャルグループ
・リクルートホールディングス
・Zホールディングス
最終的には可決されると思いますが、上記のとおり、これから参議院で審議される状況ですので、”「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が施行され、経済産業大臣及び法務大臣の確認を取ることを条件に効力が生じる”と条件が付されているとのことです。
改正法では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、施行後2年間は、経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合は、定款の定めがなくてもバーチャルオンリー株主総会の開催を可能とする経過措置が設けられる(改正法案附則3条1項)とのことですが、原則としては経済産業大臣および法務大臣の確認をうけた上場会社が、株主総会を「場所の定めのない株主総会」とすることができる旨を定款に定めることができる(改正法案66条1項)とされており、この定款の定めのある上場会社は、株主総会の場所を定めなければならないとする会社法の規定(会社法298条1項1号)を「株主総会の場所の定めのない株主総会とする旨」と読み替えること等により、バーチャルオンリー株主総会の開催が可能となるとのことです。
なお、経過措置に基づき開催されたバーチャルオンリー株主総会で、バーチャルオンリー株主総会を可能とする定款変更を行うことはできないとのことです。
当面、上記のような定款変更を行う会社は多くはないと思うものの、あまり出遅れることがないよう実務動向には注意したいと思います。