閉じる
閉じる
閉じる
  1. 受取配当等益金不算入制度で多い誤りとは?
  2. メール送信する請求書ドラフトは電帳法対象外を応用すると…
  3. 四半期開示は結局どうなる?
  4. 取締役会議事録に記載しなければならない事項
  5. 意見不表明は極めて例外的な状況のみに許容される
  6. 副業の損失、雑損失として給与所得等との通算が否認されることも
  7. 任意の会計監査人
  8. “新”逓増定期保険、一時所得として課税対象になる可能性
  9. 確定申告期限の一律延長は実施せずとも、簡易な方法で延長可
  10. 公認会計士・監査審査会、仁智監査法人に2度目の行政処分勧告
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

決算期変更と取締役の任期の関係

会社が決算期を変更することはそうあることではないですが、M&A時に親子間で決算期の統一を図ることや、グローバルスタンダートを意識して12月に決算期を変更するなどということがあります。

1.会社法の手続等

決算期変更にかかる会社法上の手続きとしては、株主総会の特別決議により定款変更が必要となることが普通です(会社法466条、309条2項11号)。通常、定款変更決議が必要となると認識していますが、あらためて会社法の規定を確認してみると、定款の絶対的記載事項(会社法27条)に「事業年度」は含まれていませんので、例外的(?)に定款変更は不要というケースもあるかもしれません。

決算期変更で比較的よくみかけるのが、変更決算期が15ヶ月決算というように1年を超える事業年度となるケースです。

たとえば決算期を12月末から3月末に変更する場合、変則決算期を3か月として決算をするというのがシンプルでわかりやすいですが、本決算となると計算書類の作成や法人税等の申告をはじめ、会社によっては会計監査まで必要となるため、事務負担的にもコスト的にも3か月で決算を行うのはできれば避けたいというケースが多いものと思われます。

会社法上、事業年度は基本的に1年を超えることができないものの、決算期変更を行った直後の事業年度については、例外的に最長1年6か月の事業年度とすることが認められています(会社計算規則59条2項)。したがって、上記のようなケースでは、15ヶ月決算とすることで事務負担やコストの低減を図ることができる可能性があります。

逆に3月決算会社が12月に決算期を変更しようとする場合は、1年を超えようとすると1年9カ月となってしまうので、この場合は9カ月決算を行うという選択肢しかないということになります。

2.取締役の任期

取締役の任期は、「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする」(会社法332条1項)とされています。

まず、取締役の任期が2年とされているケースで、決算期を変更した場合に取締役の任期がどうなるのかを確認します。決算期を12月から3月に変更したケースを想定し、その他の前提は以下のとおりとします。

①変則決算(3ヶ月の場合)
X1年3月25日(X0年12月期定時株主総会)…取締役選任
X2年3月25日(X1年12月期定時株主総会)…決算期変更の定款変更決議
X2年6月25日(X2年3月期定時株主総会)…変則決算(3か月)
X3年6月25日(X3年3月期定時株主総会)

この場合、取締役の任期は、選任後2年以内(X3年3月25日)に終了する事業年度の最終のものに関する定時株主総会終結のときまでですので、X2年3月期定時株主総会終結のときまでが任期となります。したがって、再任するのであれば、この総会で決議が必要となります。

②変則決算(15ヶ月の場合)
X1年3月25日(X0年12月期定時株主総会)…取締役選任
X2年3月25日(X1年12月期定時株主総会)…決算期変更の定款変更決議
X3年6月25日(X3年3月期定時株主総会)…変則決算(15か月)

この場合も①と同じく取締役の任期は、選任後2年以内(X3年3月25日)に終了する事業年度の最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとされていますので、取締役の任期はX1年12月期定時株主総会終結のときまでとなります。したがって、再任するのであれば、この総会で決議が必要となります。

原則通りに考えれば問題ありませんが、間違わないように注意しましょう。

では、取締役の任期が1年の場合はどうなるのかについても確認しておきます。取締役の任期が1年の場合、変則決算期が1年を超える場合にどう考えるのかがポイントとなります。

まずシンプルなケースから考えます。

①変則決算(3ヶ月の場合)
X1年3月25日(X0年12月期定時株主総会)…決算期変更の定款変更決議、取締役選任
X1年6月25日(X1年3月期定時株主総会)…変則決算(3か月)
X2年6月25日(X2年3月期定時株主総会)

この場合、取締役の任期はX2年3月25日までに終結する定時株主総会終結の時までとなりますので、X1年6月25日の定時株主総会終結のときまでが任期となります。

②変則決算(15か月)
X1年3月25日(X0年12月期定時株主総会)…取締役選任、決算期変更の定款変更決議
X2年6月25日(X2年3月期定時株主総会)…変則決算(15か月)

この場合、原則に従って考えると、X0年12月期定時株主総会で選任された取締役の任期はX2年3月25日となります。そうすると、この任期内に終了する事業年度が存在しないこととなります。

そうすると、このような場合、取締役の任期を2年にしておくということも考えられますが、このようなケースでは例外的に定款に決算期変更直前の変更事業年度中のみ任期を変更する旨の附則を設けることにより対応することが可能とされてます。

なお、定款に附則を設ける場合、附則を変更(削除)するのも定款変更ですので、通常の手続に従えば、株主総会の特別決議が必要ということになります。単に不要になったものを変更するにすぎず、そのためだけに決議するのは煩雑ですので、このような附則の場合には、一定の時期に削除する旨を合わせて定めておくことが多いようです。

関連記事

  1. 会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案が決定(その1)…

  2. 取締役会議事録に記載しなければならない事項

  3. 書面による議決権行使の期限と株主総会招集通知の発送期限

  4. 監査役会非設置会社で複数の監査役がいる場合の監査報告書は1枚?

  5. 分割計画書に記載しなければならない事項は(その1)?

  6. 監査役協会-監査役会への監査役選解任件の付与等を提言




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 11,894,865 アクセス
ページ上部へ戻る