2021年上半期IPO 直近5年で50社超は初
経営財務3517号のニュースで、2021年上半期のIPOの状況がまとめられていました。
2021年上半期のIPOは58社(外国株・テクニカル上場を除き、TOKYO PROを含む)で、前年同期比20社増加、直近5年で50社を超えるのは初とのことです。
市場別では、マザーズが36社(62.1%)と例年の傾向どおり最多となっており、JASDAQが11社(19.0%)と続いています。東証一部に直接上場したのは、ウイングアーク1st(情報・通信業)、紀文食品(食料品)、テクホールディングス(建設業)の3社です。
ウイングアーク1stは以前、東証2部に上場していたことがある会社ですが、同社は昨年3月にIPOの承認を得た後、新型コロナ感染症拡大の影響で上場申請を取り下げていました。実際には、2019年にも、株式市場の動向などを理由に上場を取りやめており、今回ついに上場となりました。
紀文食品は、上場していなかったんだという感じですが、有報の沿革で確認したところ過去にも上場はしていなかったようです。
業種別では、情報・通信業が21社(36.2%)で最多、これにサービス業が13社(22.4%)と続いています。上期のIPO件数は全体としては高水準といえますが、そのような中、小売業のIPOは0社であったとのことです。
最後に、監査法人別にみると、最多がEY新日本で16社で、あずさ9社、トーマツ7社、太陽6社となったとのことです。監査法人の規模で区分すると、いわゆる大手監査法人が合計35社で60.3%となったとされています。
依然、大手監査法人が大部分を占めているものの、少し前までは7割程度を占めていましたことからすると、大きな変化ともいえます。準大手等の件数が今後も増加して大手3法人の割合が今後どのように推移していくのか注目です。
IPO件数は、株式市場の状況に大きく影響されるという性質がありますが、下半期も順調に件数が増加していくことを望みます。