3月決算会社(2021年)の総会前有報提出は27社
経営財務3525号で東証が2021年9月21日に公表した「株主の議決権行使に係る環境整備に関する2021年6月総会の状況及び今後の動向について」が取り上げられていました。
上記資料の中で、3月決算会社の総会前の有価証券報告書提出会社は27社とされていましたが、経営税務の記事によると以下の27社が該当するとのことです。
括弧内は総会と有報提出日の差
1.HOYA(25日)
2.滋賀銀行(15日)
3.ZOZO(11日)
4.アニコム ホールディングス(10日)
5.T&Dホールディングス(8日)
6.さくらインターネット(7日)
7.中国銀行(7日)
8.日本取引所グループ(7日)
9.松井証券(6日)
10.ヤマトホールディングス(6日)
11.岡谷電機産業(5日)
12.ライフネット生命保険(5日)
13.キトー(4日)
14.SIホールディングス(4日)
15.いい生活(3日)
16.オリンパス(3日)
17.SOMPOホールディングス(3日)
18.東京海上ホールディングス(3日)
19.保土谷化学工業(1日)
20.Zホールディングス(1日)
21.ジーテクト(1日)
22.小松製作所(1日)
23.TOWA(1日)
24.サンデンホールディングス(1日)
25.東芝(1日)
26.三谷産業(1日)
27.平和不動産(1日)
全体的にみて有価証券報告書の総会前提出の社数はごくわずかといえます。東証の調査によれば、88%は総会前提出をそもそも検討していないとのことですので、今後もそれほど社数が増加することはなさそうです。
総会日と有報提出日の差が1日という会社が9社と27社の1/3を占めていますが、差が1日の会社のうち4社は6月18日以前に株主総会を開催しており、総会開催日との間を空けるということを優先するのであれば、総会の開催日を後ろにずらすことは可能だと思われます。
HOYAは総会開催日は6月29日ですが、有報提出と間隔を25日も確保しています。上記のような差が1日で総会開催が比較的早い会社とのポリシーの違いがみて取れます。
上記会社を上場市場別にみると、東証一部が24社、東証二部、マザーズ、JASDAQが各1社となっています。採用している会計基準別にみると日本基準が21社、IFRSが4社、米国基準が2社となっています。
また、東証の集計資料では、総会前有報提出会社以外にも、機関投資家向け議決権電子プラットフォームの利用会社の割合についても集計されていました。改訂されたCGコードによるとプライム市場会社に対しては「少なくとも機関投資家向けに議決権電子行使プラットフォームを利用可能とすべき」(補充原則1-2④)とされており、現時点で市場第一部のうち60.3%が既に利用しており、来年度以降の実施を検討している会社を含めると78.5%まで拡大する見込みとされています。市場第一部のうちプライム市場に残れない会社が相当数あることを踏まえると、プライム市場に移行する会社での利用割合は相当高い値になりそうです。